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実はなかった!
病院の予約から決済、診察券管理までできるアプリ
「おまとめ診察券 byGMO」

おまとめ診察券 byGMO
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病院と言えば、予約や受付、支払いなどでの待ち時間が多く、不満に思う人も多いはず。しかしその一方、医療機関では慢性的な人手不足の中、事務作業に忙殺され、患者さんの要望に応えきれていない現状があります。そこに最新のテクノロジーを使って解決策をもたらす動きが出てきました。その一つが、GMO 医療予約技術研究所による「おまとめ診察券 byGMO」です。一体、どんなアプリなのでしょうか。執行役員CTO の萩田峰旭氏に話を聞きました。

――GMO 医療予約技術研究所とはどのような会社ですか?

萩田:社名からも分かる通り、当社は医療機関向けの予約管理システムの開発・販売を手掛けている会社です。創業は2016 年ですが、もともと代表取締役の熊野(熊野なおゆき氏)は、学生時代から医療向けのシステムを開発していました。一方で、私はさまざまな業種向けの予約システムを開発する会社に勤めており、5 年前の出会いをきっかけに、一緒に仕事をすることになりました。
医療業界のIT 化は他業種に比べると遅れており、今まで学んできた予約・時間管理のノウハウを活かせないかと考え熊野とつくり上げたのが、医療機関向け予約管理システムの「メディカル革命 byGMO」と、歯科医院向け予約管理システムの「Dentry byGMO」です。クラウドサービスとして2 年前に提供を開始して以来、東京都内を中心に多くの医療機関に導入いただき、予約受付業務が60% 削減した病院もあるなど、効果を上げています。

医療機関向け予算管理システム「メディカル革命 byGMO」、歯科医院向け予約管理システム「Dentry byGMO」

当社が掲げる理念は「医療現場を豊かに」というものです。これまでの医療機関では事務作業が煩雑でスタッフの方々の大きな負担となっていました。これを効率化することで、医師や看護師など専門職の方々が、本来の役割である患者さんのケアに集中できるようにしたいと考えています。また、事務に関わる労力を集約できれば、人件費の削減にもつながり経営を助けることにもなります。こうした医療現場の効率化は、医療機関側のメリットにとどまらず、患者さんにとってもプラスに働くはずです。

――今医療機関の事務作業で業務効率アップの課題となっているのはどんなことでしょうか。

萩田:医療機関の事務作業で特に大きなネックとなっているのが予約管理です。多くの医療機関では、患者さんの予約を対面や電話で受け付け、それを紙の台帳に手書きで記入して管理しています。電話や対面で問い合わせが入るたびに業務がストップしますし、台帳は一冊しかないため、誰かが使っていると他の予約受付ができなくなる上、キャンセルや受診日の変更などが生じると間違いが起こる可能性もあります。

これを電子化すれば複数の予約を同時にこなせますし、関係者全員がどこでも確認できて間違いも減ります。
ただ、「偶数年齢の人だけが受けられる検査」「妊娠中」「2 週間おきにしか打ってはいけない注射の2 回目」「医療機器や駐車場を同時に確保」など、予約には付帯情報がたくさんあり、それがシステム化のハードルを高くしていました。そこで私たちは徹底的に医療機関にヒアリングして検証を重ね、クラウド型予約システムとして「メディカル革命 byGMO」と「Dentry byGMO」をリリースしました。それまで予約システムはあっても、複雑な予約条件に対応していないものが多数でした。こうして、予約管理システムを提供する中で、今度は医療機関を利用する患者さん側の要望が分かってきました。それは、診療の予約や診療費の支払いなどに関する利便性向上でした。

GMO 医療予約技術研究所株式会社 執行役員CTO 萩田氏

GMO 医療予約技術研究所株式会社 執行役員CTO 萩田氏

――どういった要望だったのでしょうか。

萩田:多くの方が、近隣にあるいくつかの医療機関の診察券を複数持っていて、財布がかさばったり紛失してしまったりと、管理が面倒だと感じています。また予約についても、電話だと希望する日がいっぱいでやりとりに時間がかかったり、空いている日が分かりづらかったりと不便を感じている方が少なくありません。また実際に診療で訪れても、会計で待たされた経験をお持ちの方もいらっしゃいます。こうした要望に応えるために開発し、2018 年12 月にリリースしたのがスマホアプリ「おまとめ診察券 byGMO」です。
これは、複数ある診察券をアプリで一つにまとめることができる上、予約・問診表記入・受付・決済も行えるものです。

複数医院の診察券がスマホ1つにまとまる!
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予約では、「メディカル革命 byGMO」「Dentry byGMO」で管理している予約データとリアルタイムでリンクしているため、空いている日時が一目で分かり、ピンポイントで予約ができます。これまでもWEB サイトで予約ができるサービスはあったのですが、ブラウザを立ち上げてブックマークをたどってページを開く手間が必要でした。それがアプリなら、タッチ一つでアクセスできます。また、アプリに決済機能が組み込まれているため、アプリ上で支払いが完了します。当社は決済機能を備えた利便性の高いアプリを提供するにあたり、決済サービスでリードするGMO ペイメントゲートウェイのグループ会社であるGMO イプシロンと資本提携を交わし、GMO インターネットグループに加わりました。

――「おまとめ診察券 byGMO」によって、今後どんな変化が起きるとお考えですか。

萩田:患者さんの診察に纏わる時間の概念が変わると思います。従来の対面や電話による予約や受付、診察が終わってからの会計、次回予約といった流れがなくなり、すべてがアプリで完結しますから、待ち時間に悩まされることがありません。混雑や院内感染を防ぐ効果は大きいと考えています。
また、「おまとめ診察券 byGMO」では、キャッシュレスで決済ができるため、医療の現場ではできれば衛生的に触れたくない現金を扱わなくても済むようになります。小さなクリニックの中には、会計も医療スタッフが担当するケースがあり、都度手の消毒を行うなどの手間がありましたが、それが不要になるのです。

――まさしく、医療を取り巻く環境を大きく変革させるイノベーティブなアプリだと感じますが、今後はどうのように進化していくのでしょうか。

萩田:現時点ではスマホ1台に本人の診察券しか登録できませんが、今後はお子さんの診察券も登録できるようにして、さらに利便性を高めたいと考えています。決済手段も電子マネーに対応するなど拡充していきます。
また、将来的には調剤薬局とも連携して、薬の代金もアプリで決済できるようになればと考えています。
さらに先を展望すると、やがてはアプリの入ったスマホ自体が医療機関そのものになるイメージを描いています。予約した時間になったら先生とオンラインでつながって診察が始まり、薬は後日宅配便で届く。支払いはすべてアプリで自動決済されます。こうした遠隔診療が可能になれば、高齢の方やお出かけが不自由な方の助けになるはずです。もちろん法改正を伴うためすぐに実現はしませんが、これからの世の中の動きをキャッチアップしながらビジネス領域を広げて、医療機関の業務効率や患者さんのQOL(生活の質)向上を実現していきたいと思います。

おまとめ診察券 byGMO

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萩田峰旭

プロフィール:
GMO 医療予約技術研究所株式会社
執行役員CTO
萩田峰旭

IT 企業にてエンジニアを務めた後、株式会社医療予約技術研究所の創立メンバーとして参画、取締役兼CTOに。同社が2018 年9月よりGMO 医療予約技術研究所株式会社となったのを機に現職。

※本コンテンツ内記事・画像などの著作権は、GMOペイメントゲートウェイ株式会社に属します。