GMOペイメントゲートウェイ連結企業集団※1(以下、当社)は、2023年9月期時点で2005年の東証マザーズ上場以来18期連続増収増益を達成しています。2024年8月16日公開の「連続『増収増益』期間ランキング公開!【2024年版】」※2では、上場前を含めた評価で2位となりました。
本記事では、高成長を継続する当社のビジネスモデル及びサービス概要について紹介します。
※1 当社:GMO-PGおよび以下3社を含むその連結子会社、持分法適用関連会社から成る連結企業集団
GMO-PG:GMOペイメントゲートウェイ株式会社
GMO-EP:GMOイプシロン株式会社
GMO-PS:GMOペイメントサービス株式会社
GMO-FG:GMOフィナンシャルゲート株式会社
※2 参考:ダイヤモンド ザイ・オンライン 「連続『増収増益』期間ランキング公開!【2024年版】1位は「パンパシHD」の33期!「増収&増益」を継続する期間が長い「長期安定成長株」の49銘柄を一挙に公開!」
目標は営業利益年平均成長率25%の継続
当社は経営目標として「営業利益年平均成長率25%の継続」を掲げて日々活動を行っています。これまで成長を継続してきたのは、強固なビジネスモデルはもちろん、掲げた約束(目標)を必ず達成するという強い意志を持ち、全社一丸となって取り組んできた結果です。また、当社の目標は、お客様の成長を支援することで「お客様と共に成長し、目標を達成する」という考えが根底にあります。結果として、2023年9月期の営業利益は203億円に拡大しました。さらに、稼動店舗数は、約15万店※1,2、決済処理件数(連結)は70.9億件※1,3、決済処理金額(連結)は17.7兆円※1に拡大しました。
※1 稼動店舗数はGMO-PG・EP、決済処理件数・金額はGMO-PG・EP・PS・FG、うちオンライン決済はGMO-PG・EP・PS、稼動店舗数は2024年6月末時点、 決済処理件数(直近12カ月合計)連結および決済処理金額(直近12か月合計)連結はGMO-FGにおける決済を含む。
※2 稼動店舗数は23/4Qより計上基準を変更。特定案件及びfincode byGMOを除く。これらの案件を含む同時点の加盟店ID数は665,675店(前年同期比18.3%)。
※3 決済処理件数は、フィー売上の計上基準に即し、オンラインはオーソリ(仮売上)や実売上等1決済あたり複数件(1~3件)、対面は1決済あたり1件を計上。
ビジネスモデル:還流モデル、収益モデル、クロスインダストリー
当社は、付加価値サービスが主力事業に還流し、拡大を続けるエコシステムを構築し、事業規模の拡大を図ってきました。主力事業である決済代行事業、その拡大に貢献する付加価値サービスである金融関連事業、決済活性化事業の3つの事業セグメントよって還流モデルが確立されています。
3つの事業セグメント
主力事業の決済代行事業では「オンライン決済」、「対面決済」、「銀行Pay/プロセシングプラットフォーム」などのサービスを提供しており、営業利益に占める構成比は85%です。
金融関連事業は「GMO後払い/GMO掛け払い」、「送金サービス/即給 byGMO」、「早期入金サービス」など、お客様の売上を伸ばしたりコストや資金繰りを改善するサービスを提供しており、営業利益の構成比は14%です。
決済活性化事業は「マーケティング支援サービス」や「メディカル革命 byGMO」などの決済周辺の付加価値サービスを提供しています。
主力事業と付加価値サービスが相互の成長に作用する還流モデルの確立によって、グラフのように3つの事業セグメントがバランスよく高成長をしています。
決済代行事業の収益モデル
当社の成長の柱である決済代行事業の収益モデルとして、最も多く利用されている決済手段であるクレジットカードの収益モデルをご紹介します。
お客様からの利用料金として、以下4種類の収益をいただいています。
- イニシャル売上:端末売上
- ストック売上:定額月次固定費
- フィー売上:決済処理件数に応じた金額
- スプレッド売上:決済処理金額に応じた手数料
イニシャル収益は、主に対面決済における決済端末販売の売上です。ストック収益は、毎月継続的にいただくため安定的な収益基盤といえます。フィー収益とスプレッド収益は、お客様の決済処理に応じて変動する収益であり、お客様の売上が拡大することで当社の収益も拡大します。これにより、お客様の売上拡大を支援することが当社の成長に繋がっています。この安定性と成長性を備えた収益構造が、当社の強みの一つです。
クロスインダストリー:決済は業種問わずすべての商取引に必ず発生
すべての商取引において「決済」は必ず発生するため、当社は幅広い業種における決済インフラを担っています。そのため、特定の業種に偏らずあらゆる業種を顧客基盤としており、業種ごとの業績の浮き沈みの影響を受けにくい特徴があります。
例えば、コロナ禍においては巣ごもり需要の影響を受け、旅行業種の事業者は厳しい状況でしたが、一方で物販ECの事業者は総じて好調でした。コロナ禍後においては旅行業種への需要が回復し、逆に物販ECが巣ごもり需要の反動を受け成長率が落ちました。このように、あらゆる業種に必要不可欠である「決済」の特徴により、当社は有事の際も安定的な成長を実現しています。
当社の立ち位置
当社は、クレジットカード会社やコンビニ決済、QRコード決済などを提供する決済会社と、エンドユーザーに商品を販売する加盟店(お客様)の間に立って、契約、決済情報、お金のやり取り、システム接続等を行っています。エンドユーザーからは見えにくい存在ですが、皆さんがオンラインショップでお買い物を行う際や公共料金のお支払いをする際、あらゆるシーンで当社のサービスが利用されており、便利で快適な社会を支えています。
参考記事:「決済代行会社とは?サービスの仕組みや利用するメリット・選び方を解説」
強み・競争優位
お客様の成長を支援する営業力・開発力・サポート力・投資力、これらを一体として備えた総合力が当社の競争優位性であり、成長の源泉となっています。
プロダクト
1995年の創業後、クレジットカード決済代行専業で事業を開始し、2005年にはコンビニ決済や口座振替など、複数の決済(マルチペイメント)に対応するようになりました。2023年9月末時点では、30種類以上の決済サービスに対応しています。
営業力・システム力・サポート力・投資力
お客様の課題を理解しニーズを掘り起こす営業力、決済+αのソリューションを具現化するシステム力、常にサポート品質を向上し続けお客様の成長を支援するサポート力、先端的な投資先の知見を自社事業に還流させる投資力、これらを一体として備えた総合力が当社の強みです。
営業人数は2011年の40名から現在295名にまで増加し、開発に携わるエンジニアの人数は30名から247名に増えました。また、サポート力としては業界で初めて「HDI国際認定」を獲得し、お客様の課題解決に貢献しています。投資領域においては米国やアジアのFinTech先進地域を中心とした投資先から得た知見を自社のプロダクトの進化や新事業の創出に還流しています。
参入障壁
決済代行業界には高い参入障壁があります。
1つ目に、取引単価が小さく、収益化には事業規模が必要であること。ある程度決済処理量が増えない限りスケールメリットが効かず、競争優位性が働きません。
2つ目に、セキュリティ対策のハードル。決済代行事業者にはクレジットカード情報の非保持化や不正利用対策など高度なセキュリティが求められ、対応するためには大規模な投資や専門知識が必要です。
3つ目に、日本特有の決済慣行。日本ではクレジットカード以外の決済サービスが多数存在するため、事業者がクレジットカード以外の決済サービスを導入するニーズに応えるために、幅広い決済サービスを提供する必要があり、海外の決済代行事業者が参入しづらい状況になっています。
リバンドリング
当社は、企業が手作業や紙で行っている業務をDX・オンライン化するためのプロダクトを拡張してきました。これらの機能を、連結各社で一体となりまとめて提供することで、お客様の成長を支援しています。お客様視点に立ち、決済・金融機能をリバンドリング※することで、案件の大型化を追求しています。
※リバンドリング:金融サービスを個別の機能に分解(アンバンドリング)し、利用者視点に立って組み合わせて提供(リバンドリング)すること
例えば、オンラインクレジットカード決済を導入いただいた後、お客様の決済トランザクションをもとにレンディング(融資)を行い、お客様の売上拡大を後押しします。その後、ユーザーへの返金処理には送金サービスを提供し、キャッシュレス事業のシステムをBaaS※支援として提供するなど、連結各社が一体となって支援しています。
※BaaS: Banking as a service
当社主要4社の役割とサービス
GMO-PG単体を含めた連結企業主要4社により、決済代行を中心に広範な領域で事業を展開しています。
GMOペイメントゲートウェイ
広義EC
日本におけるEC化率は9.1%と、イギリス(26.5%)やアメリカ(15.4%)※と比較しても低い水準にあります。日本国内にはEC化の余地が十分に残されている状況です。当社では、一般的にネットショップで商品を購入する「物販EC」及びオンラインでサービス(旅行や金融サービス等)やデジタルコンテンツ(電子出版、オンラインゲーム等)等を購入する「非物販EC」から構成される「狭義EC」を主な事業領域としております。さらに、サブスクリプションやオムニチャネルといった新たな購買行動やオンラインでの公金・公共料金(電気・ガス、水道や税金等)のお支払い等、これまでオンライン化が進んでこなかった領域「広義EC」をターゲットとし決済を導入することで、EC市場を上回る成長を継続しています。さらに、BtoB向けのクレジットカード決済、CtoC領域のフリーマーケットなどの領域にも展開を進めています。
※経済産業省「令和4年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)」、米国勢調査局 "The 1st Quarter 2024 Retail E-Commerce Sales Report"、英国国家統計庁 "Retail Sales Index internet sales, July 2024"
対面・オンラインを問わず、キャッシュレス化が進んでいない業種は多くあり巨大な開拓余地が広がっています。そのような業種において、例えば、月々の電気代のお支払いをSMS経由でクレジットカード払いができる仕組みを提供したり、QRコードやバーコードを使ったキャッシュレスソリューション「GMO Cashless Platform」を提供することで、スーパーやドラッグストア、ファーストフードなどの実店舗でのPay払いを簡単に実現したり、新たな決済ソリューションを提供しています。
FinTech
ほかにもGMO-PGでは、コア事業である決済の拡大に寄与する金融関連サービスを提供しています。加盟店様向けには売上を入金日より前に受け取れる早期入金サービスや、従来は振込手続きなど個別に必要だった返金処理を効率的でセキュアに行える送金サービスなどを提供しています。さらに、就業者向けには、給与の前払いを実現する「即給 byGMO」なども提供しており、応募数増加や離職率低下等人手不足の解消に貢献しています。企業間(BtoB)の決済は、掛けによる銀行振り込みが主流であり、売上が実際に入金されるまでに時間がかかることがキャッシュフローを悪化させる要因となっています。この課題を解決するために、請求書を買い取って早期に売上を入金する「BtoBファクタリング=GMO BtoB早払い」や、請求書の支払いをカードで行える「請求書カード払い byGMO」といったサービスを提供しています。
BaaS支援
金融機関様あるいは事業者様が自社のキャッシュレス手段(クレジットカードやハウスカード等)をエンドユーザーに提供したい場合に、それに必要なシステムを「GMO-PGプロセシングプラットフォーム」として提供しています。決済の共通基盤である会員管理や加盟店管理、与信管理だけでなく、カード発行のイシュイングや加盟店様管理のアクワイアリングシステムなどをお客様毎にカスタマイズをして提供します。また、「銀行Pay基盤システム」では、銀行様が自行のQRコード決済を始められたい場合にご利用いただけるシステムを提供しており、口座保有者様が銀行のアプリを利用してPay払いできるようになります。
グローバル
主に金融関連事業において、米国や東南アジア、インドの有力FinTech企業を発掘し、投融資や業務提携を通じて成長を支援しています。これによりキャピタルゲインや融資手数料の収益を得るだけでなく、成長市場の最先端の事業から得た知見を当社プロダクトの進化や新事業の創出に還流しています。また、決済代行事業では、台湾に進出してEC等のオンラインビジネスを展開する事業者向けのオンライン決済サービス「Z.com Payment」の導入支援を行っています。
GMOイプシロン
SME(Small and Medium-sized Enterprise)領域のEC事業者に対して決済代行事業を展開しています。2022年5月には、スタートアップ向けのオンライン決済インフラ「fincode byGMO」を開始し、高い機動性や拡張性に対する評価を得て、従来は物販EC中心であった同社の顧客基盤が非物販領域へと拡大しつつあります。また、金融関連事業として、売上連動型ビジネスカード「Cycle byGMO」の提供により、お客様のキャッシュフロー改善を支援しています。
GMOペイメントサービス
BtoC領域では、近年日本でもニーズが拡大している後払いサービス「GMO後払い」やBNPLサービス「アトカラ」を三井住友カード株式会社と提供しています。ユーザーはこれらを利用することでクレジットカードを持たない方でも、便利に後払いを利用できることができます。また、BtoB領域では「GMO掛け払い」を提供し、請求業務の効率化やキャッシュフローの改善などを支援しています。
GMOフィナンシャルゲート
お店や自動販売機などにおける対面、Unattended(無人)決済の、決済端末の販売から決済処理センター機能までワンストップで提供しています。2019年より三井住友カード株式会社、ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社とGMO-FGの3社協働により構築した次世代決済プラットフォーム「stera」など付加価値の高いサービスを提供しており、昨今では、交通機関でのクレジットカードタッチ決済や端末レス決済等、新しい領域でもキャッシュレス化を推進しています。
まとめ
当社の18期連続増収増益を支えてきたビジネスモデルについて紹介しました。還流モデルを確立し、3つの事業セグメントを連結各社とともに拡大して、お客様の成長を決済・金融機能の提供により支援することで、高成長の継続を実現してきました。今後はBtoC EC市場やキャッシュレス市場だけでなく、BtoBやBtoE領域を含むあらゆる「お金の流れのデジタル化」を推進することで、社会の発展に貢献し、高成長を継続していきます。
※本コンテンツ内容の著作権は、GMOペイメントゲートウェイ株式会社に属します。