通販・ECサイトの総合決済システムである「PGマルチペイメントサービス」。加盟店の方々からのお問い合わせに、技術面・業務面の両方からお客様のビジネスをサポートしているのがカスタマーサポートです。
HDI三つ星・五つ星の認証を取得している高品質のカスタマーサポートはどのようにして作られたのか。「サービス体制」と「コミュニケーション」に注力して改善を重ねてきたこと。合わせて、サポートを担当するメンバーの人柄も大きく影響しているとカスタマーサポート部長の田中は言います。今回は、日々お客様対応にあたっている担当メンバーの思いや品質向上の過程をお伝えいたします。
話者紹介
システム本部 カスタマーサポート部 部長
田中弘道
システム本部 カスタマーサポート部
サポート企画Gr 課長
蜷川英子
「PGマルチペイメントサービス」のご利用者様を有人・無人でサポート
―カスタマーサポートの内容はどのようなものですか。
蜷川: 弊社の決済サービス「PGマルチペイメントサービス」をご利用になってECサイトなどを運営している企業の技術者・web担当者・経理の方などのご不明点にお答えしております。
合わせて、導入前には、検討されている方の疑問点にもお応えしてスムーズに導入していただけるようお手伝いしています。導入後も、運用していて課題が出てきた際にはサポートセンターで対応できるものは解決方法のご提案をしますし、必要な場合には営業担当に連携するなどしています。パスワード再発行機能やエラーコードの詳細などサービスご利用中の疑問や、決済サービスのシステム組み込みなどの技術的な内容まで、どのようなお悩みにもご回答できるような体制を整え、お客様のビジネスがより上手く回るようお手伝いさせていただいています。
―カスタマーサクセスの役割も担われているのですね。具体的にどのようにサポートされていますか。
蜷川: お客様の成功のためのお手伝いという点では、カスタマーサクセスと呼べるかと思います。
サポート方法は、有人のもの・無人のものに分けられます。
有人でのサポート方法は電話・メール・チャット。セルフサポートと呼んでいる無人のサポートには、FAQのサイトやチャットbotがあります。
営業時間中の有人サポートは、新型コロナウイルスの流行前後で利用される割合に変化がありました。以前は電話60%、メール40%という割合でお問い合わせいただいていましたが、現在のお問い合わせはメールが45%、電話40%、有人チャット15%となっています。この変化のきっかけは、コロナの影響で電話対応ができない時期があったことです。有人チャットなどでも疑問を解消していただけることを前面に出したことで、セルフサポートを利用してお客様自身で疑問を解消していただけることが増えたのです。営業時間外の有人対応ができない時間帯も、FAQなどのセルフサポートを充実させていつでも疑問を解決できるようにしております。
エンジニアとハイレベルな対面顧客対応業界出身者とともに業界初のHDI格付けの三つ星獲得および業界唯一の五つ星センター認証を獲得
―カスタマーサポートはHDI格付けベンチマークで三つ星・五つ星を獲得しています。評価を受けているのはどのような点ですか。
田中: 私達の電話対応は、HDI格付けベンチマークで5年連続最高評価である三つ星認証を受けています。また今年度に関してはマルチチャネル(電話/メール/チャット)での三つ星認証を獲得いたしました。
HDI格付けベンチマーク
世界最大のサポートサービス業界のメンバーシップ団体であるHDIと同じコンセプトで設立されたHDI-Japanが主催している、サービスの対応品質を測る格付けベンチマーク。
評価項目は「サービス体制」「コミュニケーション」「対応スキル」「プロセス/対応処理手順」「困難な対応」の5つ。よい対応品質の基準に照らし合わせ、三つ星・二つ星・一つ星・星なしの4段階で評価される。
五つ星を獲得するには、三つ星を獲得している企業のみを対象に、サポートセンターの運営や従業員のマネジメントなどを総合的に評価する認証監査を受け、基準を満たしていることが必要となる。
評価いただいている中で特に力を入れているのが、「サービス体制」と「コミュニケーション」です。
「サービス体制」では、ご質問ごとに専門チームをつくっています。例えば、「PGマルチペイメントサービス」で扱っている決済方法は多岐に渡りますが、そのすべての決済のエラーの内容や管理画面の使い方に関するご質問に対応できるチームがあります。また、メンバーにはエンジニア出身者を多く擁し、APIの使い方など技術者の方からのお問い合わせにも、専門的な対応ができるチームがあります。このように、お客様の疑問を的確に解消できるメンバーで対応しております。
「コミュニケーション」では、HDIの評価を受ける以外にサポートセンター独自の指針をもっており、それに沿った品質チェックを毎月欠かさず実施しています。例えば、お客様のおっしゃっていることを正しく理解し、可能であればその裏に隠れている課題まで推測して課題解決方法をご提案します。すべてはよりよい運用のお手伝いがしたいという思いからです。
―チームの方々のスキルが高いのですね。
田中: お問い合わせくださった方によい回答をするためには、やはり対応する人が大切だと考えます。カスタマーサポートを担当しているメンバーには、百貨店や航空会社など対面でハイレベルな顧客対応が求められる業界出身者が多くいます。お客様から、対応の親切さ、丁寧さ、誠実さをお褒めいただくことが多いのは、このようなメンバーのスキルの影響が大きいと感じています。
ほかにも「分かりやすく対応が早いので助かる」「対応スピードが早く、詳細な質問でも丁寧かつ端的に回答してくれる」などのご感想をいただいております。HDIで評価いただいた点をお客様にも実感していただけているのであれば嬉しく思います。
覚えることはたくさんある。だからこそ人間性と継続的なスキルアップが必要
―サービス品質向上のために、工夫しているのはどのような点ですか。
蜷川: 「PGマルチペイメントサービス」は決済種類が多様なことが特長です。お客様からのお問い合わせに対応するには、カスタマーサポートの担当者はすべての仕様を理解していなければなりません。覚えなければならないことはかなり多いのですが、お客様に満足いただける対応ができるよう教育に力をいれています。
▲PGマルチペイメントサービス取り扱い決済手段
配属されたら1か月ほど座学での研修を行い、その後段階的にOJTを経てデビューさせています。とはいえ、多様な決済サービスを扱っているためその一つずつで仕様が違いますし、お客様のお金を扱うサービスであるので、間違いがあってはいけないという緊張感もあります。お客様をお待たせせずに、1人で高品質の対応ができるスキルを身に付けるには半年~1年かかります。そのため常にリーダー陣がそばにいて、いつでも確認ができるようなフォロー体制を整えています。OJTが終わった後もスキルアップ研修をしたり、半年に一度テストを行って弱い点を補う個別の研修を行ったりして、品質向上に努めています。
また、評価基準を数値化しており、気を付けるべきことが明確になっています。これが対応時のモチベーションとなり、結果としてお客様に満足いただけるサービスにつながっています。
―研修以外で重要なことはありますか。
田中: そもそも採用時に、一番重視しているのは素直さや明るさです。人のために行動できると感じられる人を積極的に採用するようにしています。手前味噌ですが、メンバーがよく言うのは「みんないい人で、何でも教えてくれる」ということなのです。そういう関係性のチームでお客様をサポートできているのも、プラスに影響していると思います。
現在は数十名で1日数百件ほどのお問い合わせに対応しているのですが、私達はコールセンターによくあるお客様の対応時間に対する効率化は考えていません。必要に応じて+αのご提案をするなど、ご納得いただけるまでサポートするよう心掛けています。お客様の課題を解決できたとき「ありがとう」と言っていただけるのは、メンバーの一番のモチベーションです。
これまでお客様から感謝の言葉を直接いただく機会が少なかった元エンジニアだったメンバーなどは、「感謝の言葉を直接いただけるのは、お客様と直接関わるカスタマーサポートならでは」と特に嬉しそうにしています。
初めからできたわけではない。そしてまだ完成ではない。
―以前のカスタマーサポートにはお客様対応面で課題があったそうですが、どのように改善してきたのですか。
田中: 改善のためのチームを立ち上げたことは大きいです。
以前はお客様への対応をするだけで毎日手一杯で、対応内容そのものの改善のための時間が取れずにいました。そんな中、お客様への対応でトラブルが発生し、そのトラブル対応でさらに時間がなくなる状態になってしまって。当時からメンバーはお客様に満足いただけるサービスを、と日々頑張って対応していたのに、評価されない。何とか改善したいと思いFAQの作成を進めていましたが、日々のお問い合わせ対応が終わった後に残業して取り組むしかありません。これではいけない、時間を取って腰を据えて取り組まなければいつまでたっても状況は変えられないと感じ、蜷川を中心に改善チームを立ち上げることに決めました。
蜷川: まず着手したのは、FAQサイトです。簡単な疑問であればお客様自身で解決できるようにし、お客様は増えていっても問合せ数は増えないよう仕組みづくりをしました。お客様がどのページをよく見ていて、疑問は解決できているのかどうかデータを取ってサイトを改善。お客様が求めている情報が見つけられるように整えました。同時に、電話やメールの対応をする際、簡単なものならFAQサイトで自己解決できることをお伝えするようにしました。3~4年かけて改善を続けてきた結果、HDIの三つ星認証5年連続、五つ星センター認証がいただけるサポートセンターにまで成長することができました。
―外部から高評価を受けられるようにもなり、カスタマーサポートはほぼ完成したという印象でしょうか。
田中: 以前と比べれば改善できてきたという自負はあります。それでもお客様のためにまだまだできることがあると思っています。
例えば、サポートセンターに届いたお客様のご要望を3か月に1度営業担当者・開発担当者と共有して、サービス改善につなげるいわゆるカスタマーサクセスの活動はより力を入れているところです。
今後は、決済サービスの導入を検討されている方の元へ営業担当に同行する活動を増やしていきたいと考えています。営業担当のみだとその場で解決することができないご質問でも、日々お客様のお問い合せを受けている私達であればお客様の疑問や不安に思っている点にその場で回答できるので、より安心してお選びいただけるのではないかと考えています。それをきっかけに導入後も疑問を解消できる場所があることを知っていただけますし、私達自身も直接お会いすることでしか得られないサービス改善につながる気づきもあります。今後は営業同行をより強化していきたいですね。
蜷川: 弊社の一番の強みは営業の提案力ですが、カスタマーサポートが+αの存在になれればと考えています。お客様の声を第一線で感じられ、会社やサービスにフィードバックすることで、またお客様のお礼の声として受け取ることができるのが私達のやりがいです。他の部署とも連携しながら、お客様に不安を感じることなく使い続けていたただけるよう、サポートし続けていきます。お客様のお困りごとを1つでも多く解決できるサポートセンターを目指していますので、お気軽にご利用ください!
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