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店舗ビジネスを活かすEC展開でしのぎを削る【ホームセンター業界の決済事情】

店舗ビジネスを活かすEC展開でしのぎを削る【ホームセンター業界の決済事情】

GMOペイメントゲートウェイは業界問わず、多種多様なお客様に総合決済サービスを提供している。ホームセンター業界の事業者様も多い。最近、ホームセンター業界では、実店舗のみならずECにも力を入れる事業者様が増えているという。今回はイノベーション・パートナーズ本部のホームセンター業界担当者に、お客様と接する中で見えてきた業界のトレンド、デジタルトランスフォーメーション(DX)や決済周りの事情をインタビュー。見えてきたのは、業界にかかわらず必要となる、OMOやWithコロナ対応に則した決済のあり方であった。

ホームセンターの市場規模は約4兆円で、ここ10年ほどほぼ横ばい状態です。最近も他業界のニトリ様に島忠様が買収されるなど、業界再編の激しい飽和市場と言えます。
※出処:一般社団法人 日本DIY・ホームセンター協会「年間総売上高とホームセンター数の推移(推計値)」

市場規模が横ばいにもかかわらず店舗数が増加している点からも伺えるように、実店舗の拡大がこれまでの業界が向かう方向でした。しかしここ数年はECなど、デジタル技術を活用した新業態が増えてきています。売り上げに対してECが占める割合は未だ5%ほどであり、アパレル業界などと比べると少ないですが、だからこそECの伸びしろも大きいと言えます。

イノベーション・パートナーズ本部でも、ホームセンター業界の有名企業様各社へECの決済サービスをご提供しています。EC立ち上げが早いところでは既に10年以上のお付き合いになっているお客様もいらっしゃいます。ただし、ECにて利用できる決済手段はクレジットカード決済が中心で、他業界と比較して決済手段の種類が少ないので、その意味でもまだまだ伸びしろがあり、当社からの支援も深めていく考えです。

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実店舗という根強いアセットを持っているので、OMO(Online Merges with Offline)に意欲的だと思います。OMOは、いろいろな定義はありますが、全てがオンラインであることを前提に顧客体験を中心に消費者との接点や関わり方を考えていくことだと考えています。
例えば、ECで取り置きして店舗で受け取れるサービスや、店頭で自社アプリの会員証を見せるだけでECの登録情報を利用して決済まで行えるサービスです。ECで購買するのか、店頭で購買するのかをオンライン、オフラインで分けずただ購買場所の違いととらえるのがOMOのイメージですね。

コロナ禍において店舗利用機会が減少した分の売り上げのリカバーや、来店者への接触リスクの軽減のため、ECなど非対面サービスの拡充が急がれています。ですので、現在はこれまでの遅れを一気に取り戻すかのようなデジタル活用が進められています。あくまで私の肌感ではありますが、これまで実店舗に重きを置いてきた業界だけに、社内でのデジタル人材の不足も課題の一つなのではないでしょうか。

まさに今、多数の相談を受けており、その解決策を探っている最中です。例えば直近の取り組みとしては、関東を中心に多くの店舗を展開する企業様の「店舗受け取り」サービスへのご支援を行いました。まさにOMOの考え方に基づいた取り組みです。

自宅への配送やコンビニ受け取りなどと違い、ホームセンターは店舗の取り揃えと在庫が豊富なため、店舗受け取りは、実質従来の取り置きに近いイメージです。ECで注文したそばから最寄り店舗で商品が準備されるので、場合によってはECの翌日配送よりも早く手に入ります。店を探し回らずに来店するだけで商品をまとめて受け取れる利便性があります。またホームセンターには木材など大きなサイズの商品が多く、自動車で買いに訪れる購買習慣が根強いこともあって、店舗受け取りは他業界に比べて人気だと感じています。
ただし店舗受け取りは、支払いタイミングに課題がありました。通常は、実店舗だと支払い時に商品を受け取り、ECだと支払い時に商品発送の手続きがされますが、今回の場合はECで支払った後に商品を受け取るまでにタイムラグがあるのです。そこで、ECでの事前注文つまり事前決済という形にすることで、実店舗での受け取り時の支払いを不要にしました。
これは、支払いタイミングの解決に加えて、店舗受け取りの更なる時短化と感染症対策のための接触機会低減にもつながりました。新たな店舗受け取りサービスでの決済のご相談をいただいた際、当社から事前決済をご提案。業界でも先進的な決済タイミングを実装することができました。

業界でも新しい事例であり、商品確認と支払いのタイミングにズレが生じる懸念がありました。リーディングカンパニーとして築いてきたクレジットカード事業者様との関係性があったからこそ、新しい事例に関しても確認・調整を通じ、事前決済を実現することができました。

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現在お問い合わせをいただいている業界各社様は、いわば物販以外へと、ビジネスモデルを拡張していく流れにあり、当然、ビジネスモデルによって決済の形も変わります。新サービスではどんな決済をどう使うべきか、お客様とディスカッションしながらご提案を進めています。ホームセンター業界においても、私見ではありますが、例えばサブスクリプション(定額制サービス)や、設置工事の請負など、純粋な物販以外にも領域を拡大していくのではないでしょうか。当社はお客様が慣れないビジネスへと足を踏み出す際に、決済という分野からサポートできればと考えています。

はい。さらには決済分野に限らず、デジタルを活用したサービスのアイデアをもってディスカッションができると自負しています。「何かできないか?」「ざっくりしたアイデアしかないが相談したい」といった粒度のご相談も多く、それこそ店舗受け取りをおすすめさせていただくなど、決済部分だけに限らずビジネスパートナーとして、サービス構想からご提案するケースもあります。他社事例など、業界内外の多数の企業様とお付き合いしているからこそ活用できる知見も強みです。

ホームセンター業界は今後も再編が続くと見ています。それにより、既存ECの統合という問題も立ち現れます。一方で、ホームセンター事業内のペットショップ事業に特化など、業績の良い領域への専門化の波もあるでしょう。統合とは逆に、その内容に特化したECの立ち上げが求められます。つまり、いずれにしてもECの開設・調整の動きは今後も大きく、決済サービスご提供の引き合いも増えてくると予想しています。

ECのみならず、やはりOMOという観点からのサポートもますます増加すると思います。OMOの説明の際にも例に挙げましたが、既にアパレル業界で見られるような、自社アプリ会員証と決済機能の連携に期待しています。消費者のためにも、顧客企業様のためにも、サブスクリプションモデルの定期支払いなど、新たな決済習慣を生み出すお手伝いをしたい。ホームセンター業界に限らずですが、新規ビジネス開発時からの伴走に強みを発揮していけたらと思っています。

(by あなたのとなりに、決済を編集チーム)

※本コンテンツ内容の著作権は、GMOペイメントゲートウェイ株式会社に属します。

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