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AIを活用し審査精度を飛躍的に向上―データアナリストが明かす「決済業界」のおもしろさ

AIを活用し審査精度を飛躍的に向上―データアナリストが明かす「決済業界」のおもしろさ

2023年にGMOペイメントサービス(以下、GMO-PS)に入社したY.E。大規模データを駆使した各種分析やAIモデル開発と活用を通して、「GMO後払い」や、分割機能を備えた新たなBNPL(※)サービスにおける審査領域の品質改善に貢献してきました。データアナリストとして感じるGMO-PSの魅力や、今後の挑戦に迫ります。

※ 「Buy Now Pay Later」の略で、購入者が商品を購入し受け取った後に、コンビニや銀行などで代金を支払うことができるサービス

【略歴】

  • 2019年 都市銀行 入行。法人営業部にて営業職を担当
  • 2021年 リスク統括部へ異動。リスク管理業務(市場リスク、流動性リスク)を担当
  • 2023年 GMOペイメントサービス株式会社 入社。与信・データ分析・AIモデル作成等の業務を担当

データ分析とAI活用を駆使し、審査領域の最適化により、健全な取引環境の提供を実現する

データ分析とAI活用を駆使し、審査領域の最適化により、健全な取引環境の提供を実現する

──Y.Eさんは、GMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)の連結会社であるGMO-PSにて、ビジネスインサイト部 データインテリジェンス課 課長として活躍しています。まずは、現在の業務について教えてください。

当社の後払いサービスにおける、審査領域の設計・開発・分析業務を担当しています。分析して終わりではなく、サービス品質の向上や事業KPIへのインパクトをどのように生み出すかといったビジネス視点を持ち、一貫した分析設計を担っている点が特徴です。

具体的には3つの業務を担当していて、1つめが後払いサービス全般の与信の運用です。これは、例えばエンドユーザーがECサイトで商品を購入する際に、後払いが利用可能かどうかを判断する仕組みを運用することを指します。また不正な取引発生を未然に抑止し、支払い状況に応じて、適切な審査となっているかを日々モニタリングしています。
2つめは、2024年にリリースした「アトカラ」をはじめとした分割機能を備えたBNPLサービスにおける、各種審査基準の策定と運用に関する業務です。
3つめは、審査領域におけるAI活用促進のため、AIモデルの構築・運用を担当しています。取引ごとの支払い可能性の見極めと同時に、不正な申し込みや利用を早期に発見することで、リスクの最小化と健全な取引環境の維持に取り組んでいます。

── 後払いサービスでは、どのようにAIを活用されているのでしょうか。

2024年末に、審査領域におけるAI活用のシステム機能を刷新し、現在は本格運用に向けて準備を進めている段階です。
その中で、とくに不正検知や支払予測のためのAIモデルの開発に注力しており、東京大学の「データサイエンティスト養成講座(DSS: Data Science School)」との共同研究も行っています。
不正検知では、学生のみなさんのアイデアも活かしながら、RandomForestLightGBMを用いた不正判定モデルや異常値検知の精度を向上させることで、不正の可能性が高いデータを効率的に絞り込むことを行っています。
さらに、未払いに至るケースを予測するための支払予測モデルも考案し、実際に新しいAIシステムに実装する予定です。これはユーザーの支払いパターンを時系列データとしてXGBoostモデルに学習させることで、注文の段階で支払いまでの期間を予測。未払いリスクを事前に把握したり、支払いが行われず損失が発生することを回避したり、リスク管理を高度化する上で大きく貢献します。

今後は、大規模言語モデル(LLM)を活用した類似取引の検索や、BNPLにおける独自のスコアリングモデル作成など、AI活用をさらに進めていく予定です。

──そのほか、入社後に実現してきたことを教えてください。

入社直後に参画した、自社与信システムの開発プロジェクトが、とくに印象に残っています。このプロジェクトでは、取引データの整合性を確保しながら、精度検証およびデータ移行を行うものでした。審査精度を可能な限り高めるため、数多くの設定項目について1つずつ丁寧に検証を重ねました。結果として、一切のトラブルなく無事にリリースを完遂できたことに、大きな安堵と達成感を覚えています。
その後、分割機能を備えたBNPLサービス開始にあたり、従来とは全く異なる審査基準策定に携わり、現在も継続して取り組んでいます。

決済データは挑みがいがある。FinTech業界で分析を行う醍醐味

決済データは挑みがいがある。FinTech業界で分析を行う醍醐味

──GMO-PSに転職した経緯と決め手を教えてください。

株価をはじめとした市場リスクの定量化など、データ分析への関心を以前から持っていました。
前職では約2年間、営業部門に所属した後、異動を経てデータ分析業務に従事しました。スピード感のある環境で、限られた時間の中でも効率的に成果を上げる経験を積むことができたと感じています。今後のキャリアを見据え、より深くデータ分析に携わりながら、主体的に業務に取り組める環境を求めて、転職を決意いたしました。

転職活動で重視したのは、自社の事業データを分析できることでした。コンサルにも興味があったのですが、自社データを扱うことで、より経営や事業改善に近い提案ができると考えました。
GMO-PSを選んだ決め手は、消費者の購買行動における決済のビッグデータを扱える点や、面接を通じて感じた新しい技術を積極的に取り入れようとする姿勢、そして風通しの良さ。とくにデータ分析の結果を用いて、積極的に改善を提案できる環境があることが魅力的でした。

── これまで一貫して「データ分析」を軸にキャリアを築いてこられたようにお見受けします。データ分析に興味を持ったきっかけや、おもしろさを感じるポイントについて教えてください。

初めてデータ分析に触れたのは大学3年生の授業でした。その後、大学院の博士課程で物理学を専攻し、観測データの収集と解析に本格的に取り組んだことで、学問そのもの以上にデータ分析のおもしろさにのめり込んでいきました。分野やデータの種類にはこだわりがなく、分析すること自体が好きですね。

データ分析の魅力は大きく2つあります。1つは分析に必要なプログラミングによるものづくりの側面。もう1つは課題解決のアプローチが人によって異なる点。同じ課題でも、分析方法や解決策のアイデアは人それぞれです。自分なりの分析アプローチを考え、それを実際に実行して成果を出せるところが非常におもしろいと感じています。

──当社ならではのデータ分析の醍醐味はどんなところにあると感じていますか?

決済データを分析していると、購買と支払いの行動から、典型的なパターンが見えてきます。一方で、「前回このユーザーはこういう支払い方をしたけれど、今回は違う払い方をしている」など、想定外の部分も出てくるのですが、その中でも予測できるものを見極めてきちんと分析すれば解明できる。未払いは大きなリスクとなるため、与信が果たす役割は大きいです。予測の難しさと、適切な分析によって結果を導き出せる可能性の両面があることがおもしろく、非常に挑みがいがあると感じますね。

こういった決済データ、とくに後払いサービスのデータは非常にユニークで、ある意味、生きていると感じます。ユーザーそれぞれの行動パターンがビッグデータとして蓄積されると、統計的にパターン化して分析できる。この個別性と普遍性の両面があることが、おもしろさなのかなと。

──データアナリストが活躍できるフィールドは多岐にわたると思いますが、決済データには独自の魅力があるのですね。GMO-PSで扱うデータならではのやりがいやおもしろさについて、教えてください。

GMO-PSでは、経営層との距離が近い環境です。そのため、何か新しいことを始めたい時に直接経営層に意見が言え、スピード感を持って意思決定や実行ができる体制が整っていることは大きな魅力だと感じますね。

1つのことを突き詰める姿勢で、AIをフル活用し、会社の成長に貢献したい

1つのことを突き詰める姿勢で、AIをフル活用し、会社の成長に貢献したい

──入社以来多岐にわたるミッションを担ってきたY.Eさんですが、自身の強みは何だと思いますか?

そうですね、1つの内容を徹底的に追求していく姿勢だと考えています。たとえば与信の運用業務において、何百万件という取引審査すべてに対して正しい処理が行われているかは、サービスの品質の心臓部となる必須要件です。そのシステムの仕組みを変更する時に、想定外の結果が生じていないか、考慮漏れはないか、うまくいっているように見えても違和感はないか、などを丁寧に突き詰めていくことは、ある種研究にも近い部分があり、楽しくてやりがいがありますね。
この追求の姿勢は、私の重要なミッションである回収率の改善にも表れています。加盟店さまや取引パターンごとにリスクを一つひとつ掘り下げ、審査基準を細かくチューニングするなど、回収率を改善するための解決策を提案してトライアンドエラーを繰り返します。実際に数値が改善されるという成果を出すこともでき、非常に良い経験になりました。現在も、毎週、毎日のようにモニタリングを行い、「ここが悪くなってきているから、今月はこのセグメントを良くしていこう」など、地道な改善を続けています。

──今後のビジョンを教えてください。

大きく3つの課題に取り組んでいきたいと考えています。1つめは、AIシステムの本格稼働を進め、審査の効率化や精度向上のためにAIモデルをフル活用していくことです。
2つめは、BNPLサービスの拡大支援。会社としてBNPLを大きく成長させていこうというフェーズにあり、審査の観点からAIを活用して、この成長戦略を支援していきたいと考えています。
3つめは、全社のAI活用を担当する立場から、新しい技術やツールのキャッチアップを積極的に行っていきたいと考えています。従来型のAIだけでなくLLM(大規模言語モデル)など、業務に応用できるものは積極的に活用していく方針です。

最も必要なのはデータ分析への情熱。チームや社内と共に事業を動かせる環境がある

最も必要なのはデータ分析への情熱。チームや社内と共に事業を動かせる環境がある

──BNPLサービスやAI活用など、会社の未来にも大きく寄与できる可能性を秘めたビジネスインサイト部 データインテリジェンス課ですが、新しい仲間にはどんな人が向いていると思いますか?

データアナリストとして働く上で重要なのは、主体的に取り組める姿勢。受け身の姿勢ではなく、自ら課題を見つけ解決策を提示できる人材が求められます。

──いかに新たな提案ができるかという積極性が重要なのですね。技術的なスキル面はどうでしょうか?

PythonやSQLといったプログラミング言語を使用しますが、これらは入社後でも十分習得可能です。私自身、SQLには触れたことがなかったので、入社してから身につけました。むしろ、データ分析自体に興味があることの方が重要だと思います。分析に対する探究心があれば、日々の業務を通じてスキルは身についていきますから。
また現在のチームでは、AIの高度なモデル開発に特化した"技術寄り"、データの可視化・レポーティングが得意な"ビジネス寄り"の人材など、さまざまな強みや専門性を持つメンバーが活躍しています。両側面で強みを発揮できるに越したことはありませんが、どちらかだけでも活躍できると思います。

──スキルや専門性は問わず、データ分析を通して課題解決したいという熱意が求められるということは、今後はより多様な人材が集まりそうですね。逆に、業務として想定しておいたほうが良いことはありますか?

データ分析が好きであることは重要ですが、ずっとデータと向き合って分析だけをやり続ける職種ではありません。分析結果をもとにチームメンバーはもちろん、営業やカスタマーサポートなど他部署ともコミュニケーションを取りながら、経営や事業改善のために提案して解決するところまでを主体的に行えることが必要です。
また、与信の運用業務というミスが許されない領域である以上、自身の担当案件について責任感を持ってやり抜く姿勢が不可欠ですが、同時にスピード感も重要。コストに対するメリットを考慮しながら分析を進める判断力も求められます。

──最後に、採用候補者の方にメッセージをお願いします。

データ分析に興味のある方にとって、決済というビッグデータを扱えるGMO-PSは非常に刺激的な職場になるはずです。
担当業務は個々が主体的に取り組みますが、最終的には提案した分析や施策について、チーム全体で認識を合わせるために話し合い、中身を理解した上で判断を行います。上下関係なく、風通しよく議論できるのが特長です。
さらに、BNPLサービスの開始により、これまでとは異なる新しい領域が広がり、分析テーマには事欠きません。データをもとに「こうしたら良くなるのではないか」と提案を行い、実際に事業が成長していく過程を身近に感じながら、データアナリストとしてのキャリアを積めるのは大きな魅力ではないでしょうか。探究心や研究心のある方に、ぜひ仲間に加わってほしいですね。

※記載内容は2025年5月時点のものです

(by あなたのとなりに、決済を 編集チーム)

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