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インドのFinTech~副社長 村松竜による現地レポート~

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当社ではコロナ前よりインドのFinTechに注目していましたが、この2年間現地に入ることはできませんでした。2年ぶりに当社副社長 村松が現地で見たインドのFinTechについてレポートしました。

※本稿は2022年5月~6月に撮影した「動画で3分解説!インドのFinTech~副社長 村松竜による現地レポート~」の書き起こし記事となります。
動画はこちらからご覧いただけます: https://www.gmo-pg.com/blog/feature04/

01.圧倒的スピード!インドFinTechの現状

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-2022年3月、2年ぶりにインドを訪れて実感したこと

インドに行ってみて「全然わかってなかったな」ということを感じたんですよね。カフェに行ったり、レストランに行ったりしますけど急速に前にはなかった端末が置いてあるなとか。ホテルで決済するときも、急激に普及している端末があってそれは4年前に投資を検討して見送った会社の端末だったりする。

-インドのFinTechの実態は

インドは今、FinTech大国になっていて、世界最大級のFinTech大国なのかというくらいデジタルエコノミーを中心に据えた国家戦略をインド政府はとっているので、意図的にどんどんスタートアップのデジタル面を促進して育てたりしています。

-FinTech拡大の要因

人口ピラミッドの話は非常に重要で13億人と一口に言いますけれど、人口の分布が全く日本と違う。24歳以下の人口が44%。つまり24歳以下が日本の20倍いるんです。中間層の人たちは都市部で非常に大きな会社に勤めていて、IT業界の人も多い。そういう人たちは「給与早払いサービス」とか「BNPL」等は非常に積極的に利用している。「slice」というカードも皆さん持っています。
こういうサービスは、若者がたくさん借金をして貸し倒れるという印象を持つ人もいるんですけど、貸し倒れていないんですね。理由の1つが先ほど申し上げた、政府主導の「インディア・スタック」という巨大なデジタルインフラがありますので、その上でちゃんと「自分のクレジットヒストリーを作っていこう」とみんな思っているので借りたら返すということを、かなりしっかりやられているんです。

02.インドのFinTech御三家

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今、我々が注目しているFinTech御三家は、「Razorpay(レーザーペイ)」、「MobiKwik(モビクイック)」、「slice(スライス)」。
この3社に特に注目しています。

-インド最大級の決済代行Razorpay

Razorpayは、我々がワイコンビネータデモデイで出会って、出資して以来応援しています。この会社は我々と非常に似た業態、決済代行からスタートしています。
最初はStripeのような、一行コードの決済的な決済代行から始めて、今は、BtoB決済から融資、送金、BaaS支援など我々がやっていることをほとんど彼らもやっています。
今インドで、最大の決済代行会社になりました。

-BNPLに鞍替えして躍進MobiKwik

一時期Paytm(ペイティーエム)という会社が非常に有名でしたよね。Paytmに対して2番手のMobiKwik。両方ともQRコードのスマホウォレットの会社。
業績は非常に良くてなにが好調かというと、BNPLなんです。プロダクトを非常に振り切って、今、非常に急成長をしています。

-若者に大人気のカードslice

先に挙げた2社(Razorpay、MobiKwik)は出資で応援をしています。

sliceは我々が融資という形で応援しています。デジタルクレジットカード的な物を出している会社です。
Visaカードをスマホ上で出していて、融資をslice社が会員に対してしてくれるのでほとんどクレジットカードのように使えるんですね。こういうものはこれまでのインドにはなかったんですよ。発明してしまった仕組みなんです。

これがもう火が付いたようにユーザが増えていて年間倍々どころか、数倍数倍で伸びています。登録会員数、公表ベースで700万人。この規模というのはインドの中でも上位数位ぐらいには入るんです。成長しているのにはやはり色々な理由があって、ものすごくスピーディに非常に優れたデザインで多くの若者を惹きつけていて、それに驚いた大手有名投資家のタイガーグローバルが驚きのあまり瞬間的に投資の意思決定をしたというくらい。
ブラジルに今世界最大級のネオバンク、Nubank(ヌーバンク)という会社がありますけどもちょっと遅れてその会社Nubankを抜く可能性もありますよね。

sliceの創業者や、CFOといろいろ我々がお話して、「こうやってお手伝いします」と「こういうファイナンスのスキームはどうですか」という話をしていますけれども、そういう話をしているビジネスパートナーが世界最大のカード会社になる可能性があるんです。
この驚くべき状況、この高揚感というのはすごいものがありますね。是非皆さんにも体験いただきたいなと、思うところですよね。

03.インドの金融包摂 -インドのもう一つのFinTech-

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-インドの所得人口ピラミッド

13億人のピラミッドを想像すると、上のほうに数千万人の超富裕な人たちがいます。次に中間層といわれる人たちが3、4憶人と言われています。さらにその下に、すごく大きな6、7億人という大きな人口の塊があって、仕事は農業中心で、所得の水準も非常に低く、苦労も多いわけです。

-マイクロファイナンスの進化と成長

こういうところに対しては、「マイクロファイナンス」という金融の形態があって、月の所得が数万円、ないしは数千円。そういう方々は通常の金融機関でお金を借りたりもできませんし、職もそんなにあるわけではないのでなかなか生活費を稼ぐのも難しいところです。
もとからあるんですけれど、マイクロファイナンスがデジタライゼーションで非常に進化して急成長しているという現象もあるんですよね。

-「五常・アンド・カンパニー」を通じて金融包摂を広める

我々が五常さんへの出資と融資で応援しているのもインドのマイクロファイナンスを通じて非常に苦労の多いゾーンの方々に金融インクルージョン(金融包摂)を広めていく金融アクセスを提供していって、その方々が日々の収入を得るために家畜を飼うとか鶏を飼うとかをサポートしています。
鶏を一羽飼うと、卵を翌日から毎日1個ずつ生みます。この卵を翌日から売り始められますよね。売ったお金でキャッシュが毎月入ってくるので、利益を出しつつ、借りたお金を毎月返済できるんですね。
実は鶏っていうのは非常にキャッシュフロー性の高いアセットなんですけれど、そういうことは東京にいるとあまり感じられません。インドではそれで非常に生活が回っている方々がいるわけですね。
その裏にマイクロファイナンスの会社があって、そのさらに裏で我々が資本市場で調達したお金を五常さんを経由して、マイクロファイナンスの先にいる方々に提供している。
こういう活動を去年くらいから始めています。

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動画で3分解説!インドのFinTech~副社長 村松竜による現地レポート~

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(by あなたのとなりに、決済を編集チーム)

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