決済代行サービスの利用により事業者はさまざまな決済手段の導入が可能となります。
GMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)の「PGマルチペイメントサービス」のように将来の拡張性に対応した多様な決済手段を備えたサービスもあれば、主要な決済手段に絞ったサービスまで決済代行会社ごとに導入可能な決済手段は異なります。
オンライン決済の導入を検討する事業者にとって、自社のビジネスに最適な決済手段の見極めが重要です。
今回はGMO-PGで営業担当として幅広い領域を担当し、現在はマーケティンググループを率いるイノベーション戦略部 池谷 優憲がおすすめのオンライン決済手段と利用シーン、最近の決済トレンドについてご紹介いたします。
オンライン決済とは?
キャッシュレスとオンライン決済の違い
「キャッシュレス」とは、現金を使用しない決済方法全般のことを指します。店頭でのクレジットカード支払いやPayPayなどのコード決済といった対面決済のほか、インターネット上で行われるクレジットカード決済などを幅広く含みます。
オンライン決済は、インターネット上で支払いを完結できる非対面決済の総称です。
エンドユーザーがサービス提供を受けたり、物品を購入したりする際にオンライン上で支払い方法を選択または手続きを開始することを指しています。
オンライン決済の特徴は選択できる決済方法
対面決済は、サービスの提供や物品の購入のたびに支払う「都度決済」が主流です。
非対面のオンライン決済が、対面決済と大きく異なる特徴は、「都度決済」に加え「継続決済」という選択肢があること。継続決済は一度だけ支払い方法を登録すれば、次回以降はエンドユーザーの支払い作業を省き、事業者側で自動的に支払処理ができる便利な決済方法です。
都度決済とは?
オンライン決済における都度決済とは、サービス購入の際に一度だけ(その都度)決済手続きを行う方法です。
都度決済のメリット・デメリット
メリット
・エンドユーザーは合計金額を確認した上で支払いができる
・事業者はサービス提供の度に、すぐに売上を得ることができる
デメリット
・エンドユーザーは、リピート購入など何度もサービス利用をする場合であっても毎回決済手続きを行わなければならない
都度決済でおすすめのオンライン決済手段4選
クレジットカード決済
オンライン決済で最も身近かつポピュラーな存在がクレジットカード決済でしょう。クレジットカード決済では運用方法に「即時運用」と「仮実運用」の2種類があります。
10月発売の商品を2ヶ月前の8月に予約受付するという予約販売のケースを例にその違いをご紹介いたします。
即時運用
- 予約受注時に取引を完了させる運用方法で、未入金リスクを軽減させることが可能となります。キャンセルなどが発生した場合は、収支処理が月をまたぐため敬遠される場合もあります。
8月1日の予約受付時に売上処理を完了
(有効性確認、売上確定のトランザクション処理料が発生:2回分)
↓
予約(購入)者に商品未着でも8月に取引は完了
※購入者へのクレジットカード請求は8月(8/1~31)締め分となり、10月1日に商品が発送されます。
事業者側のメリット:
売上入金が早い。トランザクション処理料は有効性確認・即時売上の2回のみ。
事業者側のデメリット:
キャンセル発生時は取引完了後の対応となり売上管理などが煩雑。
仮実運用
- 予約受注時には仮売上で一度計上し、商品発送時に実売上として取引を完了させる運用方法です。
8月1日の予約受付時に仮売上を計上
(有効性確認、仮売上のトランザクション処理料が発生:2回分)
↓在庫確保・生産など
10月1日の商品発送タイミングで仮売上から実売上へ変更(トランザクション処理料発生)
↓
10月の実売上に変わったタイミングで実際の取引完了事業者側のメリット:
仮売上状態でキャンセルとなった際、処理が容易。
事業者側のデメリット:
トランザクション処理料は有効性確認・仮売上・実売上の3回必要。
クレジットカード決済の詳しい仕組みの説明はこちらの記事もご覧ください。
コンビニ決済
都度決済の代表格であるコンビニ決済。クレジットカード決済に不安がある、または使わない層に最も利用されている決済手段の一つです。
オンライン上で手続きし、コンビニ店頭にて現金などで支払うスタイルのため、クレジットカードを持てない若年層から現金支払派まで幅広い層から支持されています。
特徴:
・日本国内のコンビニ店舗数は55,000店舗以上となり、多くの地域で支払える
・支払金額の上限は30万円まで
・事業者が負担する手数料はクレジットカードと同程度。ただし、人手不足などの問題から手数料値上げの可能性あり
GMO-PGではセブン-イレブン・ファミリーマート・ローソン・ミニストップ・セイコーマートに対応しています。
「PGマルチペイメントサービス」コンビニ決済についてはこちらをご覧ください。
バーチャル口座を利用した銀行振込
事業者は対象の取引ごとに口座(バーチャル口座)を発行、エンドユーザーは一般的な銀行振込と同様に、銀行ATMやコンビニなどから指定口座へ振込を行います。
特徴:
・取引ごとの口座発行と、着金時の通知機能により、消込作業のを自動化が可能。
・手数料はクレジットカード決済と比べて安価な傾向あり
PayPay
対面決済を起点に利用者が急増している、オンラインサイト上でも利用可能な決済手段です。対面店舗を持っていない事業者にも導入をおすすめしたい決済手段の一つ。
特徴:
・対面決済で還元されたポイントをオンラインでのショッピング時にも利用可能
・手数料はクレジットカード決済を上回る傾向あり
ビジネスモデル別おすすめの都度決済手段例
物販ECサイト
クレジットカード決済・コンビニ決済
仕入れたものを売るなど、販売から売上金回収までのキャッシュフローを短めにしたい事業者には特に即時運用でのクレジットカード決済や、入金サイクルの短縮(早期入金サービス)などのオプション利用がおすすめ。
デジタルコンテンツ
クレジットカード決済・PayPay
決済完了してから即利用するスタイルのサービスにも最適です。
旅行の予約購入手続き
クレジットカード決済・銀行振込(バーチャル口座)
予約時の都度決済により事前に支払いが完了。事業者側は売上金の未回収リスクを抑制可能。ただし、直前キャンセルに対する手数料の事前案内などには注意が必要です。
継続決済とは?
「継続決済」とは一度登録した支払い方法から、毎月など定期的に支払われる決済方法です。継続してサービスを利用する前提で決済を行います。
継続決済のメリット・デメリット
メリット
エンドユーザー:
手続きは1回で完了、支払いのための手続きを毎回行わなくてよい
(初回購入時に支払い方法を登録、次回以降も同手段で支払うことに同意することが前提となります)
事業者:
毎月エンドユーザーの手続きを行わずに決済処理ができるため、安定的・継続的に売上を得ることができる(売上をストック化することができる)
デメリット
事業者:
都度決済と比較して、高度な機能などを採用する必要がありシステムコストは高い傾向がある
取引失敗ユーザーに対する社内オペレーション整備などが必要
継続決済でおすすめのオンライン決済手段3選
クレジットカード決済
継続決済でも代表的なのがクレジットカード決済です。
クレジットカードの有効期限などを更新するオプション機能「洗替(洗い替え)」を導入することで、事業者側の負担を大幅に軽減した上で安定的に売上を得ることが可能です。
キャリア決済(auかんたん決済・d払い・ソフトバンクまとめて支払い決済)
エンドユーザーが毎月の携帯料金とあわせて支払う決済手段です。
特徴:
・通信会社ごとにキャリア決済の利用促進によるポイント還元がある
・スマートフォン・携帯電話やインターネット回線など、通信キャリアと契約していれば利用可能なため、利用対象の世代が幅広い
・手数料はクレジットカード決済を上回る傾向あり
口座振替
現金・銀行口座からの支払いで安心・安全な取引を行いたい方向けの決済手段です。手数料は1件あたりX円という設定もポイント(他の決済手段は取引金額に対し、X%という設定が主流)。1件の取引金額が高額となる場合は口座振替がおすすめです。
ビジネスモデル別おすすめの継続決済手段例
サブスクリプションサービスの利用料(デジタルコンテンツ等)
月間サービス単価:¥500 ~¥2,000程度
クレジットカード決済・キャリア決済・PayPay
1件あたりX円ではなく、%での手数料であってもサービス単価が2,000円以下の場合は事業者負担費用よりもエンドユーザーの利便性を優先するケースが多いです。
スポーツジムの月会費
月間サービス単価:¥5,000~¥20,000程度
クレジットカード決済・キャリア決済・口座振替
サービス単価が数千円を超える場合は、事業者の競合他社における支払方法の豊富さとコストを比較しながら複数の決済手段を備えることをおすすめいたします。
塾の月謝など
月間サービス単価:¥20,000以上~(比較的高価なもの)
クレジットカード・口座振替
単価が高額なサービスを利用する場合、エンドユーザーは十分に検討してからサービス申込を行うため、決済手段は最低限の2~3種類程度となるケースが多いです。
また、1件あたりの単価が大きいため、「残高不足による決済エラーに対して再請求する機能(決済用URLのSMS/メール送信)」など、事業者のオペレーション負荷を軽減するための仕組みを考えながら決済手段を検討する必要があります。
このほか、GMO-PGの総合オンライン決済代行サービス「PGマルチペイメントサービス」では、従量課金や初月無料などの柔軟な料金体系設定にも対応しています。
オンライン決済で押さえておくべきこと
複数手段の導入はオンライン決済の大前提!
事業者がEC/サービスサイトを運営し、販売機会を損なわないために支払手段を複数揃えることは極めて重要です。なぜならば各種決済サービスは高いセキュリティを維持するために定期的なメンテナンスを行うなどの理由により、一時的に決済ができない時間が発生するためです。
さらにエンドユーザー側も購入時に利用したい決済手段がない場合、自社サイト以外で購入するなどのカゴ落ち※リスクが顕在化しています。
※カゴ落ちとは、ユーザーがカートに商品を入れた後、決済せずに離脱することです。
事業者は自社のビジネスモデルに合わせ、どの決済手段を導入・追加すべきかを吟味する必要があるでしょう。
独自に情報収集し検討していくのは時間を要し負担も大きいため、決済のプロフェッショナルである決済代行業者へご相談いただくことをおすすめいたします。
決済手段の新トレンド
決済手段は新たなものも次々と生まれています。ここ数のトレンドともいうべき注目の決済手段をご紹介いたします。
後払い決済
購入者がサービス提供を受けてから後で支払い手続きを行う決済手段。
世界的なBNPL(Buy Now, Pay Later)の潮流もあり、オンライン決済手段のなかで日本でも近年世界的に利用が加速しています。商品を確認してから支払いたい、という消費者ニーズにも合致した決済手段として、物販ECサイトを中心にさまざまな業態に導入が進んでいます。
- 利用方法
① エンドユーザーは購入時に「後払い決済」を選択
↓ 後払い決済事業者の独自与信により利用可否の審査
② (後払い利用可能となった場合)事業者はサービス提供や商品発送を行う
↓
③ 後日、支払用ハガキ送付やSMS、メール送付によって後払い決済事業者が請求
↓
④ エンドユーザーが任意の方法でお支払い - 後払い決済導入のメリット
事業者:
未回収リスクは後払い事業者が負うため、決済後すぐにサービス提供可能
(入金確認などの手間が省ける為ため、オペレーションコストが軽減されます)
クレジットカードを持っていないユーザーも購買対象となる
ユーザー:
手元に現金がなくてもサービス提供が受けられる。
分割支払いなどを選択すれば、キャッシュフローをコントロールできる
自社のビジネスに最適な決済手段は?
今回はおすすめの決済手段として
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
- PayPay
- 銀行振込(バーチャル口座)
- キャリア決済(auかんたん決済・d払い・ソフトバンクまとめて支払い決済)
- 口座振替
- 後払い決済
について利用例とともにご紹介いたしました。
現在ご検討中のビジネスや今後の拡張性も踏まえ、最適な決済手段をお選びいただくことが重要です。今回ご紹介した決済手段はPGマルチペイメントサービスで導入いただけます。各業界に精通した営業担当者がビジネスの伴走者として最適なプランをご提案いたしますので、オンライン決済に関してお困りのことがあればぜひGMO-PGへご相談ください。
GMOペイメントゲートウェイ
イノベーション・パートナーズ本部 イノベーション戦略部
マーケティンググループ 課長
池谷 優憲
2012年にGMOペイメントゲートウェイ入社後、EC事業者様向けのデジタルマーケティング コンサルタントとして7年間従事。NHK様や国税庁様、東京都水道局様など公共領域や教育、会員サービス事業者様向けに決済サービスの営業を担当した。現在はGMO-PGが提供するサービスの改善、拡販を中心としたマーケティング活動を行っている。
決済業界のリーディングカンパニーであるGMOペイメントゲートウェイが提供する「PGマルチペイメントサービス」は、様々な決済手段をご用意しております。新たな決済手段も迅速に導入し顧客ニーズを逃しません。
また、事業規模や業態に応じてご要望にお応えできるように、GMOペイメントゲートウェイではグループで3つのサービスを用意しています。決済手段の選択に迷われたらまずはお問い合わせください。
※本コンテンツ内容の著作権は、GMOペイメントゲートウェイ株式会社に属します。