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SaaS+FinTechの融合を目指すうえで見つけた最適なパートナー~GMO医技研がGMO-PGにグループジョインした理由~

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本日は2018年にGMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)にグループジョインしていただいたGMO医療予約技術研究所(GMO医技研)の熊野なおゆき取締役副社長をお招きしています。熊野さんは2016年に医療予約技術研究所を代表取締役社長として創業し、2018年のGMO-PGへのグループジョインを経て、現在までGMO医療予約技術研究所の急速な成長を牽引されてきました。

※GMO医療予約技術研究所は医療機関向けの受診予約システム「メディカル革命 byGMO」を運営しています。

今日は熊野さんにグループジョインの経緯や当時のお気持ち、またグループジョインしてから会社や熊野さんご自身がどう変化していったのかを伺っていきたいと思います。

会社設立の経緯:器械体操の動作シミュレーターを小児科の待ち時間解消に活かす

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村松早速ですが、熊野さんはエンジニアとしてのキャリアが長く、そこから医療予約技術研究所を設立し経営者の立場となったわけですが、元々エンジニアとしてのキャリアはどのようにスタートしたのでしょうか。

熊野私は小さい頃からロボットやプログラムが好きで、小学生の頃にはファミリーベーシックでゲームを作ることに没頭するような子供でした。

※任天堂が1984年に発売したファミリーコンピュータ用のプログラミング環境。BASIC言語に基づいた簡単なゲームプログラムを自作することが可能

本格的にプログラミングにのめり込んだのは大学時代です。学生時代は運動部で器械体操をしていたのですが、器械体操の練習効率を高めるために、体操の様々な演技における身体の動きをシミュレーションしようと思い立ったのがきっかけです。
在籍していた大学の電子工学系の研究室をいくつか訪ねたのですが、幸いにもそのうちの一つの研究室で類似のシミュレーター開発の実績があるとのことでした。その研究室の教授の指導の下、6ヵ月で体操演技のシミュレーターを構築することが出来ました。

村松なるほど。器械体操というバックグラウンドがエンジニアとしてのキャリアを極めていく重要なきっかけだったのですね。そこからどのように医療の予約システムを提供する医療予約技術研究所の設立へと進んでいったのでしょうか?

熊野少しマニアックな話なのですが、器械体操で宙返りをする時、鉄棒を握って回転したあと、手を離してから着地するまで数秒間の軌跡があります。
この軌跡を時間軸と重力を用いてシミュレートすることで、手を離した瞬間に未来を予測することができるというのが、私が開発したシミュレーターなのですね。
この2軸で計算する手法が待ち時間管理と似ているところがあって、宙返りシミュレーターを応用することで、順番待ちを始めた時点での先客の数や平均診察時間などを総合的に見て、何分後に自分の順番が来るかを即座にシミュレートすることができるため、医療予約管理システムに活かせると考え医療予約管理システムの開発を始めるきっかけとなりました。
こうして出来上がった予約システムは多くの医院に使ってもらうまで成長しました。
自分の構築した予約システムを導入していただいた医院様から「あなたの予約システムがどれだけ患者さんのためになっているか、もっと強くあなた自身が認識しなさい」というお言葉をいただくなど、非常にやりがいのあるプロダクトでした。

そうした中で、自前でデータセンターを設計し、構築・運用まで経験し超高負荷時であっても落ちにくいサーバ構築が出来たと自負しています。
その評価もあってサイバーエージェントグループであるゲーム会社Cygamesのインフラ部門で働き始めました。
ここでの開発も大変面白いものでのめり込んで開発に没頭し、社内の表彰をいただくなど充実した仕事を担っておりました。
ただ、やはり自分自身のライフワークとして医療の予約システムを突き詰めたいという気持ちが強く、この思いを実現するために予約システムを運営していた某社に転職しました。そこで働き始めて少し経った時、子会社を新しく設立し、医療特化の予約システムを新規に開発するお話をいただき、そうして立ち上げたのが医療予約技術研究所でした。

GMO-PGにジョインした理由:SaaS+FinTechの融合を目指して

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村松医療現場の生産性向上への強い課題意識から、再び医療予約システムへとご自身の軸足を移されたわけですね。その後GMO-PGから熊野さんにグループジョインをご提案するわけですが、グループジョイン実現までの経緯はどのようなものだったのでしょうか

熊野2018年当時、医療予約技術研究所は成長しているものの更なるジャンプを模索していたタイミングでした。どうすれば企業として更なるジャンプが実現できるのかを自問自答する中で、足りないものがいくつか見えてきていました。
製品性の面では、医療予約システムは典型的なSaaSサービスとして安定的なストック収益を生むプロダクトではあったのですが、提供価値を多様化してトランザクション収益を獲得するためにはSaaSからFinTechへの発展が必須でした。決済やファイナンスなど各種のFinTechプロダクトで日本最大級のアセットを持つGMO-PGSaaS+FinTechの融合を目指すうえでは最適なパートナーと感じました。グループジョインを決断した要因としてはこれが一番大きかったですね。
また、当時の医療予約技術研究所はエンジニアを中心に構成されており、技術には自信がありましたが営業プロセスには改善の余地を感じていました。科学的な営業プロセスの構築を含めた様々な営業ノウハウをグループジョインにより獲得できるのではという期待もありました。実際にグループジョイン後は営業部門の幹部をGMO-PGから出向で迎え入れるなど有形無形の営業強化が図られています。
私としては、予約システムというプロダクト自体に大きな自信があったので、GMO-PGにジョインすれば自分たちに足りないそういった部分を補うことができると思ったのです。「これでもっと多くのクリニックに利用してもらえる、そして更に日本の医療をよくできる」と高揚していたのを覚えています。

村松なるほど。サービスのFinTech化はGMO医療予約技術研究所にとっても重要なテーマですよね。GMO-PGをそのような目線で見ていただいていたとは嬉しい限りです。

GMO-PGの仲間になった今:得意分野で100%の力を発揮できる環境がある

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村松さて次は、そうした経緯の後でGMO-PGにグループジョインした後の話をきいてみたいと思います。まず熊野さんご自身が、GMO-PGにジョインする前と後で一番大きくかわったことは何でしょうか

熊野一番大きな変化は、企業成長のために自分のリソースを100%使うことが出来るようになったことですね。逆の言い方をすると、成長に直接的に関与しない分野に余計な力を使わないで済んでいることだと思います。

私の得意な分野は開発です。医療予約システムは診療内容ごとに異なってくる多様な変数を組み合わせて瞬時に最適化を図る極めて複雑性の高いシステムです。医療予約技術研究所が大きく成長するためには、私の開発力を100%発揮する必要がありました。
しかしながら、グループジョイン以前は、独立企業の代表取締役CEOとして、開発以外の組織運営や営業・マーケティングに多くの時間を割いていました。それぞれ重要な職務であることは当然理解していますが、これらの業務に時間を費やす中で開発にかける時間が少なくなることに葛藤も覚えていました。

GMO-PGにグループジョインすると、「スタートアップとしての大先輩」であるGMO-PGが培ってきた極めて生産性の高い業務オペレーションを間近で学ぶことが出来、かつ管理系の人材も多く出向してきていただくことで、そもそもの組織運営がまず効率化されました。

村松営業、経理、セキュリティなど、さまざまな分野でGMO-PGは経営上のノウハウや、トラブルシューティングの歴史を積み重ねてきました。熊野さんはGMO-PGの過去の学びを迅速に吸収して、経営者として新たなフェーズに進んでいるように見受けられます。

熊野おっしゃる通りですね。その他にも、私が取締役副社長というポジションに就任して、営業や企画を一手に担う代表取締役社長もGMO-PGからキーパーソンに出向いただくことで、ますます私の開発力を会社に還元する環境が整ったと思います。開発という強みをさらに磨くことで、経営者としても、GMO医療予約技術研究所という会社としても、やりたいことが実現できるようになってきています。

村松私も副社長ですが、社長とは違う形で自分のミッションに集中できるポジションでもありますよね。そして社長と一緒に経営チームとして一体的に経営にあたれるという立場というのもあって、非常にいいポジションですよね。
熊野さんの場合は本当にやりたいことに集中して、本当に作りたかった世界を作っていくためにあえて副社長という機能的なポジションになるという。これも一つの戦略ですよね、「戦略的副社長」ですね!

熊野まさにそのとおりですね。グループジョインから4年が経ちましたが、当初は不安な気持ちや、副社長という立場になることでさみしい思いもするのかと思っていました。今では好きなことに集中できる環境で、本当に幸せです。充実した企業経営が出来ていると思います。

村松それは良かったです!
それでは最後に、これから熊野さんが成し遂げたいことを一つ挙げるなら何でしょうか?今後の展望を教えてください。

熊野やはり進むべき所は、今後の医療従事者不足に対して少しでも助けになるサービスを作っていくことだと思っています。医療従事者が不足しているといわれる中、私はこのサービスを医療の受付全てを担うプロダクトにし、医療従事者不足問題のソリューションの一つにしたいたいと思っています。この夢を今、本当にGMO-PGで実現させてもらっています。

村松それは素敵ですね。是非実現させていきたいですね

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(by あなたのとなりに、決済を編集チーム)

※本コンテンツ内容の著作権は、GMOペイメントゲートウェイ株式会社に属します。

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