企業間決済(BtoB決済)とは、企業と企業の間で行われる決済のことです。この記事では、企業間決済の種類や課題、BtoC決済との違いを紹介します。
企業間決済(BtoB決済)とは
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企業間決済(BtoB決済)とは、「企業と企業の間で行われる決済」のことです。企業同士で商品やサービスを売買する企業間取引に伴って発生する代金の支払いを指します。たとえば、A社が製品の製造に必要な素材をB社から仕入れる場合、その代金の支払いは企業間決済にあたります。
企業間取引・企業間決済の市場規模は、約1,000兆円超に上ると推定されます(※1)。
企業間の取引は、営業担当者を通じた商談や電話・メール、FAX、インターネットなど、さまざまな方法で受発注が行われています。その中でも、インターネット上で受発注が行われるBtoB-EC(電子商取引)は拡大しており、経済産業省によると2024年の市場規模は514兆4,069億円に達しています(※2)。
一方で、決済手段に目を向けると、企業間決済においてキャッシュレス決済が導入されている割合は、約1%程度にとどまるとする調査結果もあります(※ここでいうキャッシュレス決済とは、主にカード決済等を指します)(※3)。BtoC領域では、2024年のキャッシュレス決済比率が約43%に達しており(※4)、両者の差が顕著にあらわれています。
(※1)経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」より当社で算出(BtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模とEC化率より逆算して算出)
(※2)参考:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査報告書」
(※3)参考:ビザ・ワールドワイド・ジャパン「中小企業の事業間決済における キャッシュレス化・デジタル化の推進」(なお、当該調査は中小企業を対象として実施されたもの)
(※4)参考:経済産業省「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
企業間決済(BtoB決済)とBtoC決済の違い
企業間で取引されるBtoB決済と、事業者・一般消費者間で生じるBtoC決済には、大きく3つの違いがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
決済金額が高額になりやすい
BtoB決済は、BtoC決済よりも取引金額が高額になりやすいという特徴があります。BtoC決済は一般消費者との取引が多いため、購入単価は少額になりがちです。一方、BtoB決済の場合は、店舗販売や製品の製造のために購入数が多くなるほか、機器・設備など1点あたりが高額であるため、取引金額も高くなりやすい傾向があります。
都度払いではなくまとめて支払う
BtoB決済とBtoC決済は、以下のように支払い方法が異なります。
- BtoB決済:掛売り(請求書払い)
- BtoC決済:都度払い
たとえば、一般消費者がECサイトで商品を購入した場合、1回の買い物に対して都度支払いが発生します。一方、BtoB決済の多くは支払いサイトが定められており、一定期間ごとにまとめて支払われるのが一般的です。
取引相手との信頼関係で成り立つ
BtoB決済は掛売りで代金をまとめて支払うことから、取引先との信頼関係で成り立っている点も特徴です。信頼関係がなければ、代金を受け取る前に製品やサービスを提供することはできません。BtoB取引は長期間にわたって継続する場合が多いため、双方の信頼関係を良好に保つことが重要です。
企業間決済(BtoB決済)の種類
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企業間決済では、掛売り(請求書払い)が一般的に用いられています。請求書払いでは銀行振込で支払われるケースが多いものの、他に口座振替やクレジットカードなどさまざまな決済手段が利用されています。ここでは、それぞれの特徴を解説していきます。
請求書払い(銀行振込)
請求書払いとは、製品やサービスを納品したのち発行された請求書にもとづいて後日代金を支払う方法です。 実際の支払い方法としては、銀行振込が利用されるケースが多く、納品後に送付される請求書をもとに、期日までに指定口座へ振り込む形で決済が行われます。
手元の資金を指定口座に振り込む、もしくは自社の銀行口座から送金するだけで済むため、大きな手間はかかりません。ただし、銀行振込では振込手数料がかかります。
請求側は請求にかかる作業を一度にまとめられるほか、代金の回収状況を容易に確認できるなど、決済業務を効率化できます。ただし、後払いの状態になるため、代金の未回収リスクが懸念される点に注意する必要があります。
支払い側は、購入から支払いまでに1カ月程度の猶予ができることで、資金繰りに余裕が生まれます。支払い業務が1回で済むため効率的ですが、支払い漏れが生じると、自社の信頼に影響を及ぼす可能性があります。
口座振替
口座振替とは、銀行口座から自動的に引き落とされる方法です。BtoC領域では、住居の家賃やスマホ料金の支払いに用いられることが多いですが、BtoB領域でも活用されます。サービスの月額料金など、毎月定額の支払いが発生する場合に採用されることが多い方法です。
口座振替は請求書の発行が必要なく、未回収リスクを軽減できます。毎月の取引額が同じ、かつ継続的な取引などで利用するのが有効です。
クレジットカード
企業間決済では、法人カードを用いたクレジットカード決済を選択できる場合もあります。
クレジットカード決済を利用すれば、請求側は請求書発行や消込作業などの事務作業を効率化できます。クレジットカードは作成時に与信審査があるため、新規取引を行う際の判断材料の一つとなります。
一方、支払い側は、24時間取引が可能で、さらに利用額に応じたポイント付与を受けられるというメリットを得られます。カード決済のタイミングによって日数は前後しますが、借入なしで支払い期日を最大約60日後に繰り越せます。業務拡大に伴う資金需要の増加や、突発的なトラブルが生じた場合でも、資金繰りの改善に役立つ可能性があります。
「請求書カード払い byGMO」を利用すれば、請求側が銀行振込を指定している場合でも、カード払いが可能です。受け取った請求書をパソコンやスマホでアップロードし、必要な情報を入力するだけで、最短当日(※所定の条件あり)で取引先への振込が完了します。
企業間決済のメリット・デメリット
ここでは、企業間決済のメリット・デメリットを紹介します。
各決済手段における売り手側(請求側)、買い手側(支払い側)のメリット・デメリットは以下の通りです。
※売:売り手側、買:買い手側
| メリット | デメリット | ||
|---|---|---|---|
| 請求書払い (銀行振込) |
売 | ・請求作業と回収確認を効率化できる | ・代金の未回収リスクが懸念される ・入金消込の作業負担がある |
| 買 | ・支払い業務を効率化できる ・資金繰りに余裕が生まれる |
・支払い忘れが起こりやすい ・振込手数料がかかる |
|
| 口座振替 | 売 | ・請求書発行の手間を省ける | ・利用シーンが限定される ・初回の手続きに時間がかかる ・残高不足による未回収リスクがある |
| 買 | ・支払いの手間がかからない ・振込手数料が発生しない |
・初回の手続きに手間がかかる | |
| クレジットカード | 売 | ・請求書発行の手間がかからない ・経費精算を効率化できる |
・手数料が発生する |
| 買 | ・決済の利便性が高い ・利用額に応じてポイント付与を受けられる ・支払いタイミングを後ろ倒しできる |
・カードごとに利用上限額が定められている |
上記のように決済手段によって、売り手側(請求側)、買い手側(支払い側)のそれぞれにメリット・デメリットがあります。特に支払い側は、決済方法によってメリット・デメリットが大きく異なります。なかでも、クレジットカード決済は利便性の高さに加え、キャッシュフローの改善につながる点が大きな魅力です。
企業間決済の課題
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企業間決済(BtoB決済)には、主に5つの課題があります。
キャッシュレス化が進みにくい
企業間決済には、キャッシュレス化が進みにくいという課題があります。冒頭で述べたとおり、企業間決済におけるキャッシュレス決済は市場全体の1%程度にとどまるともいわれています。キャッシュレス決済の導入が進まない要因としては、手続きの煩雑さや請求側に手数料が発生する点が挙げられます。クレジットカード決済における手数料率の平均値は2023年時点で、2.65%(※)であり、請求側が負担しなければなりません。
また、社内規定で支払いまでのフローが厳格に定められている企業では、銀行振込のような従来型の支払いフローが好まれているという背景もあります。
(※)参考:経済産業省「令和5年度 商取引・サービス環境の適正化に係る事業(クレジットカードのインターチェンジフィーの標準料率公開に伴うモニタリング調査及び加盟店負担低減・B2Bキャッシュレス取引拡大に向けた調査事業)」
経理担当者の業務負担が大きい
企業間決済は、経理担当者の業務負担が大きくなりがちです。
支払い側では「取引先ごとに個別の請求プロセスに対応しなければならない」「特定の支払い方法しか受け付けてもらえない」といった課題があります。各社に合わせた対応が必要となることで、業務負担につながります。
一方、請求側の課題は、取引先の支払いサイクルや管理です。請求方法が1本化されていないケースも多く、経理担当者の負担となっているのが現状です。
資金繰りに影響を与える
基本的に、企業間決済は掛売りで取引されるため、請求側の資金繰りに影響を与える可能性があります。納品から入金までにタイムラグが生じることで、請求側は資金不足に陥るリスクがあります。
一方、支払い側は一定期間でまとまった金額を請求されるため、一度にまとまった資金を用意しなければなりません。資金を調達できず支払い遅延が発生すると、自社の信頼を損なう恐れがあります。
未回収のリスクがある
企業間決済の種類によっては、請求側に代金の未回収リスクがあります。特に、国内の多くの企業が利用している銀行振込では、入金忘れが起こりやすいとされていて、期日までに請求額が支払われないというケースも珍しくありません。
また、支払い側も支払い遅延によって自社の信頼を損なうリスクがあるなど、両者にとって大きな課題となっています。
企業間の取引書類は電子帳簿保存法への対応が必要
2024年1月1日以降、電子帳簿保存法によって、電子取引で発行・受領した書類のデータ保存が完全義務化されています。電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律です。
電子取引においては、両者がそれぞれ以下のとおり対応しなければなりません。
- 請求側:電子的に発行した請求書・領収書などの保存
- 支払い側:電子的に受領した請求書・領収書などの保存
電子データで保存することで、紙の保管スペースが不要になるほか、取引履歴の検索・確認が容易になるといったメリットがあります。
請求側、支払い側両社の課題解決に向けたGMO-PGの各サービス
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先ほど触れたように、請求側にとって企業間決済における大きな課題の一つが、代金の未回収リスクです。こうした未回収リスクは従来の取引フローでも起こり得ますが、GMO-PGやグループ会社のサービスを利用することで軽減が期待されます。
たとえば、GMO-PGが提供する「GMO BtoB売掛保証」は、取引先倒産・遅延時に、未回収金をGMO-PGが保証するサービスです。与信管理を外部化することで、効率的な営業活動を実現でき、売上拡大とリスク低減の両立に寄与します。
また、グループ会社のGMOペイメントサービスが提供する「GMO掛け払い」もあります。売り手から注文ごとに売買代金の債権譲渡を受け、請求書の発行や代金回収を代行するサービスです。支払い側には、「請求書カード払い byGMO」の利用も選択肢の一つです。支払い期限を最大約60日繰り越すことで、資金繰りの調整に役立ちます。
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まとめ
企業間決済は、企業と企業の間で行われる決済のことです。BtoB決済とも呼ばれ、企業間の取引を円滑に進めるための重要な役割を担っています。企業間決済は複数の種類が存在し、それぞれメリット・デメリットがあります。企業間決済が抱える大きな課題としては、未回収リスクが挙げられますが、GMO-PGが提供するサービスを利用すれば、未回収リスクの軽減が期待されます。
企業間決済におけるリスク軽減に向けて、「GMO BtoB売掛保証」「GMO掛け払い」などのサービスの活用も検討していきましょう。
(by あなたのとなりに、決済を 編集チーム)
※本コンテンツ内容の著作権は、GMOペイメントゲートウェイ株式会社に属します。