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ペーパーレス化のメリット・デメリット|なぜペーパーレス化は進まないのか

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SDGsや脱炭素が叫ばれている中、企業が環境負荷の軽減に取り組むことは社会的な責務となっています。

「自社も何らかの方法でSDGsや脱炭素に取り組まなければ」と考えている方も多いのではないでしょうか。

取り組みの中でも比較的簡単にできることとしてペーパーレス化をあげることができます。

ペーパーレス化はSDGsや脱炭素に取り組めるだけでなく、企業経営にとってさまざまな実利的なメリットをもたらします。

本記事ではペーパーレス化のメリットやデメリット、成功事例を紹介していきますので、ペーパーレス化の導入について悩んでいる方はぜひご覧ください。

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ペーパーレス化を進めることは、企業が社会から求められている風潮であることは間違いありません。

しかし、ペーパーレス化を進めることは、企業にとって社会的要請に応えるだけではないさまざまなメリットがあります。

企業にとってペーパーレス化を進める主なメリットは次の6つです。

  1. 印刷コスト削減
  2. 業務効率化・生産性向上
  3. セキュリティ強化
  4. 多様な働き方の実現
  5. 企業イメージの向上
  6. オフィススペース削減

企業にとってペーパーレス化を進める6つのメリットについて詳しく解説していきます。

ペーパーレス化することによってコスト削減をすることができます。

モノクロ印刷する際の1枚あたりのコストが2円3円※1程度ですので、1日2,000枚印刷をする会社は印刷コストだけで1日4,000円6,000円、年間200日だとすると80万円120万円程度かかる計算になります。

大規模な企業になれば、その印刷量に応じてこの何十倍ものコストがかかってきます。

ペーパーレス化に成功すれば、印刷にかかるコストの一部または全部を削減できるので、コスト削減に大きく寄与するでしょう。

※1 当社調べ。税込み。

ペーパーレス化は業務効率化と生産性の向上にも繋がります。

これまでは紙の書類ベースでやりとりしていた稟議書なども、オンライン上で回覧すればわざわざ稟議書を上司のところまで運び、印鑑をもらい、さらに役員や他の社内関係者などへ回覧するなどの手間を省くことができます。

また、会議資料を膨大に用意する手間も省くことが可能です。
さらに、必要な情報を適切に管理することができれば社内のどこからでもアクセスできるので、書類やファイルを探す手間を省くことができます。

紙ベースで業務を行っていたからこそ発生してきた膨大な手間をペーパーレス化によって効率化できるので、その労力を別の仕事へ充てることができ、結果的に企業の生産性は向上するでしょう。

ペーパーレス化によって企業のセキュリティが向上することも期待できます。

大切な情報でも紙で管理することで紛失や誤廃棄のリスクが発生します。ペーパーレス化することで、そのリスクを軽減できと考えられます。

もちろん、データ管理上のセキュリティ対策は必須になるものの、「重要な書類を社員が社外へ持ち出して紛失してしまった」「窃盗に入られて重要書類が盗難に遭った」などの物理的な情報漏洩や情報の紛失を防ぐことには寄与するでしょう。

ペーパーレス化は企業に求められている働き方改革やテレワークなどに対応するためにも必要不可欠です。

仕事の情報などを紙ベースでやりとりするのであれば社員同士、対面でやり取りする必要があります。しかし、ペーパーレス化によって情報をデータでやりとりすることができるようになれば、社員同士が遠隔地にいながらでも情報の共有や共同作業が可能となります。

ペーパーレス化ができていない企業よりもできている企業の方が圧倒的にテレワークなどへの対応力は高くなるでしょう。

企業はサステナビリティの実現に向けて環境負荷低減目標やCO2の排出削減目標などを掲げ、その達成状況を公表するのが社会的な責務となっています。

ペーパーレス化を推進することでSDGsや脱炭素といった環境問題にきちんと取り組む企業であることが周囲から認識されるため、ペーパーレス化を実現できていない企業と比較したときに、企業イメージの向上が期待できます。

ペーパーレス化はオフィススペースの削減にも繋がるでしょう。

これまで紙で保管してきたファイルなどがオフィスからなくなるだけで、オフィスとして必要な敷地面積を減らすことができ、さらに書類が大量に並ぶのと比べて美観を保つことができます。

企業において家賃は大きなコストとなります。少しでも利用敷地面積を削減できることで、印刷費用や紙代そのもの以上に、コスト削減が実現できる可能性があります。

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ペーパーレス化を進めることは社会的要請に応えるだけでなく、企業の経営効率化にも寄与するなどさまざまなメリットがあることをここまでご紹介してきました。

しかし、ペーパーレス化にはメリットだけではなくデメリットもあります。メリットだけではなく、デメリットもしっかりと理解しながら進めていく必要があります。

企業がペーパーレス化を進めるデメリットとして考えられる点は次の5つです。

  1. 電子化できない書類があるため、管理が煩雑
  2. 資料にメモなどができず利便性が下がる
  3. ITに不慣れな経営陣や社員には不便
  4. 端末によって資料が見えにくい
  5. ネットワーク環境に左右される

ペーパーレス化の5つのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

ペーパーレス化と言っても必ずしも全ての書類が電子化できるわけではありません。

例えば紙の書類での保管が法律によって義務付けられている「不動産取引における媒介契約書」や「重要事項説明書」などはペーパーレス化ができません。

また、電子化する際に相手の同意が必要とされている「建築請負契約」なども一方的に電子化することはできません。

不動産関連や建築関連の業種では、このような書類が多くなっているため、業種によっては「ペーパーレス化したいけれど限界がある」ということもあるでしょう。

ペーパーレス化すると、これまで書類であれば気軽に気づいたことや必要なことを直接ペンでメモするといったことができましたが、それができなくなります。

会議資料などは特に該当のページに直接メモなどをしたい人も多いのではないでしょうか?

ペーパーレス化によって資料はデータ化されるため、紙のように簡単にはメモはできなくなり、利便性が下がったり大切なことを書き留められなくなることで覚えられなくなるなど、不便を感じる人も出てくる可能性があります。

一般的に、ペーパーレス化によって、資料はPCやタブレット、スマートフォンを中心にやりとりするようになります。

IT機器に慣れた人であれば問題ないかもしれませんが、IT機器にこれまで触れてこなかった方は、まずはIT機器に慣れることから始めなければならないので、最初のうちはかえって業務効率が落ちてしまう可能性もあるでしょう。

PCの画面やタブレットが小さすぎたり、資料の情報量が多すぎたりするなど、端末と資料の表示範囲のサイズが合わない場合は資料が見えにくい可能性があります。

ペーパーレス化対応のために新たにタブレットなどの端末を導入する際には、どの程度の大きさであれば違和感なく見れるか、運用ができるのかをよく検討しなければなりません。

また、これまで会議では手元の書類を利用していた場合、会議室に大型のモニターやプロジェクターなどを導入するなど、会議進行の利便性が低下しないようあらかじめ対策するのが良いでしょう。

ペーパーレス化によって情報をオンラインでやりとりするため、ネットワーク環境が非常に重要です。

もしも社内のネットワーク環境が不安定な場合には、業務運営に多大な支障をきたすことになってしまいます。

ペーパーレス化を進めることによってネットワーク環境への負荷が大きくなることを理解し、安定したネットワーク環境をあらかじめ構築しなければなりません。

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近年、社会的な風潮ではペーパーレス化が進んでいるように見えますが「自分の会社は全くペーパーレス化が進んでいない」と感じる方も多いのではないでしょうか?

ペーパーレス化が進まないことについてはいくつか原因がありますが、主なものとしては次の3点です。

  1. 導入コストが高額
  2. 電子化されることで不便を感じる社員が多い
  3. システム障害の影響やハッキングのリスク

ペーパーレス化はこれら3つの課題をクリアすればスピード感を持って進めることができるでしょう。

企業のペーパーレス化が進まない3つの原因とその対処法について詳しく解説していきます。

ペーパーレス化を実現するためには、決して安くない導入コストがかかります。

端末の購入代金やネットワーク環境の構築、クラウドサービスの導入など、企業規模によって導入が必要なモノや費用は異なりますが、中小企業で数百万円以上、大企業では数億円程度必要になることもあるでしょう。

資金的に余裕がない企業は「ペーパーレス化をやりたくても資金的に不可能」というケースが多々あります。

このようなケースでは、まずはコピーが必要な資料なのか、必要以上に印刷したりしていないかなど、追加でお金をかけずにできることからペーパーレス化に取り組むのがよいでしょう。

ペーパーレス化によって、情報のやりとりが電子化することに不便を感じる社員や経営者が存在する企業はペーパーレス化がなかなか進みません。

ペーパーレス化を実施することによっていくらのコスト削減が可能なのか、どのように業務効率化ができるのか、粘り強くペーパーレス化を推進する担当者が説明、説得することが大切です。世間的にもペーパーレス化を実現できない企業への風当たりは徐々に強くなっていく可能性もあり、コストに対するメリットやデメリットのバランスをしっかり吟味して進めていくのが良いでしょう。

ペーパーレス化することによって、システム障害の影響を受けたり、ハッキングなどに伴う情報漏洩などのリスクがあるため、業種によってはペーパーレス化に抵抗を感じていることも少なくないでしょう。

セキュリティ対策を強化するのはもちろん、ペーパーレス化する必要がなく、本当に重要な情報だけは紙で管理できるようにするなどの体制の確立も行っていきましょう。

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それでは実際にペーパーレス化に成功している企業や自治体はどのようなものなのでしょうか。

民間企業と自治体による実証実験の成功事例を紹介します。

2021年10月、横須賀市とGMOグローバルサイン・HDの実証実験※2において電子契約におけるペーパーレス化の効果が発表されました。

電子契約を導入した場合のコストと業務効率化を実証実験により試算したところ、契約締結作業における時間は約34%短縮され、起票~締結完了までの時間も約95%の短縮、業務効率化を実現できるという結果が出ました。紙の使用量についても、電子契約により年間約49,600枚使用される契約関連業務で使用する紙が0枚になると試算されています。これは、これまで大量の紙が必要だった契約業務を電子契約にし、ペーパーレス化を行うことで、大きな成果がだせるといえるでしょう。

電子契約の導入など、自社でもペーパーレス化できる部分がないかを検討し、まずはできることから始めてみましょう。

※2 参考:「横須賀市とGMOグローバルサイン・HD、電子契約の実証実験で契約書受領から押印完了までの時間を約95%短縮

企業がペーパーレス化を進めることによって、コスト削減や業務効率化、結果として働き方改革の推進に繋がるだけでなく、企業イメージの向上なども期待できます。

業種や企業の資金繰りなどによって、すぐにペーパーレス化を完全には実現できないという企業もあるかもしれません。

そのような場合には、まずはお金をかけずとも簡単にできる紙利用の削減からペーパーレス化を進めていきましょう。

例えば「会議だけ」「社内のマニュアルだけ」など一部をペーパーレス化するだけでも大きな一歩といえるでしょう。

社内にはペーパーレス化に反対する人もいるかもしれません。

しかしメリットとデメリットをトータルで見ればメリットの方が大きく、また長い目で見て検討する必要はあります。丁寧にメリットやペーパーレス化が必要な背景などを説明していくのがよいでしょう。

GMOペイメントゲートウェイでは新しい価値の創造をサポートするビジネスパートナーとして、DXを支援するサービスを多数提供しています。とくに、決済に関わるDXに強みがあります。顧客へ大量の請求書を発行する業務や企業間の請求業務などの業務効率化をご検討されているなど、該当の業務がある場合お問い合わせください。
なお、ペーパーレス化はDXの一部であり、さらに大きな業務改革につながるきっかけともなります。ほかのDX支援の事例に関しても、併せてご一読ください。

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