GMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下、GMO-PG)はこれまで、東京大学のデータサイエンティスト養成講座(DSS)に協力してきました。具体的には、模擬データの提供や講義への参加です。学生とともに実社会の課題を考える取り組みを重ねてきました。
この関係はやがて共同プロジェクトへと広がり、GMO-PGの連結会社であるGMOペイメントサービス株式会社(以下、GMO-PS)が提供する「GMO後払い」の事業課題とも接点が生まれました。その一つが、将来の未払いを予測する「支払予測」です。「学ぶ」ことから始まった関係は、課題を共に考え、研究する関係へ。今回は、その歩みを紹介します。
【この記事でわかること】(クリックで開く)
- GMO-PGと東京大学の産学連携が、2018年のDSSへの協力からどのように広がってきたか
- DSSでの教育協力からDSPでの共同プロジェクトへ発展した経緯
- 「GMO後払い」の支払予測に関する知見が、事業でどのように活用されているか
2018年、学生との学びから始まった連携
東京大学大学院情報理工学系研究科が主体となって運営するDSSは、データサイエンスに特化した教育プログラムです。GMO-PGは2018年4月からDSSに協力し、決済・金融関連のデータを参考にした模擬データを教材として提供してきました。また、GMO-PGのデータサイエンティストも講義に参加し、学生とのディスカッションを行っています。
この取り組みは講義への参加だけにとどまりません。GMO-PGはDSSの実践演習にも継続して参加してきました。
実践演習では、学生がチームで課題を分析し、企業からフィードバックを受けながら成果をまとめます。考え、分析し、議論する。データサイエンスを実社会の課題と結びつけて学ぶ、実践的な機会です。
また、これまで扱ってきたテーマは、不正検知や未払いとなる取引の予測などさまざまです。その中には、学生から生まれたアイデアが、その後の実務に反映されたものもあります。
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演習から一歩踏み込んだ共同プロジェクトへ。課題に一緒に向き合う関係へ
学生との学びを重ねるなか、2022年4月から1年間、共同プロジェクトにも参画しました。東京大学の産学連携の枠組み「データサイエンスプラクティカム(DSP)」です。
演習講義を主とするDSSに対し、DSPでは企業の実際の課題をテーマに、大学と企業が教育の枠組みから一歩踏み込み、共同でプロジェクトに取り組みます。東京大学との産学連携は、教育協力から、企業と大学が事業課題を共に考える段階へと進みました。共同プロジェクトで取り組んだテーマの一つが、「GMO後払い」における支払予測です。
「GMO後払い」は、購入者が商品やサービスを受け取った後に、コンビニや銀行などで代金を支払えるサービスです。商品やサービスの提供後に代金を回収するため、支払いが行われない「未払い」は事業上のリスクになります。
支払予測とは、利用者の支払い履歴を時系列データとして分析し、注文の段階で支払いまでの期間や未払いとなる可能性を予測するものです。不正な取引を見つける不正検知とは異なり、不正とは限らない取引も対象として、将来の未払いリスクを捉えます。
決済サービスが抱える実際の課題を、データサイエンスを用いて考える。学生との学びから始まった関係は、企業と大学が共にプロジェクトへ取り組む関係へと広がりました。
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共同プロジェクトの知見を「GMO後払い」の審査へ
共同プロジェクトで得られた支払予測の知見は、ただプロジェクト成果のまま事業へ導入されたわけではありません。GMO-PSでは、実際の事業環境やデータに合わせて検証・調整を重ね、「GMO後払い」の与信審査に活用しています。
支払予測を既存の審査の仕組みと組み合わせることで、取引ごとの支払い可能性をより細かく捉え、従来の判断を補完します。これにより、与信審査の精度向上を図り、利用者や取引の状況に応じた、より適切な審査判断につなげています。実際に、今回の知見を活かしたAIモデルは、潜在的な高デフォルトリスク層の検知数を12%向上させる性能を確認しています。
一方、後払い事業において、未払いを抑えることだけがゴールではありません。未回収リスクを適切にコントロールできれば、より多くの利用者に後払いという支払いの選択肢を届けられる可能性が広がり、加盟店様の販売機会を支えることにもつながります。
教育協力から共同プロジェクトへと広がった産学連携の成果は、GMO-PSによる検証と事業活用を経て、「GMO後払い」の審査高度化、そして後払い事業の進化・発展に寄与しています。
▲2026年7月31日に開催されたシンポジウムの様子
教育・事業をつなぐ、産学連携の価値
今回の取り組みが生み出したものは、支払予測という成果だけではありません。
この連携を通じて、学生はデータサイエンスを実社会の課題と結びつけながら学びを深め、大学や研究者は研究と社会との接点を広げることができます。企業にとっても、学生や研究者との議論から新たな視点を得て、サービスの改善に生かせることが大きな価値です。
2018年に始まった連携は、教育から共同プロジェクト、そして事業での活用へと段階的に広がってきました。大学との共同プロジェクトで得られた知見を、企業が実際の事業環境に合わせて検証し、サービスの中で育てていく。今回の支払予測は、「学ぶ」ことから始まった関係が「共創」へと発展し、その成果が事業の現場に生かされた一例です。
こうした学びと研究の積み重ねは、AIの活用が社会に広がる今こそ、その価値を増しています。AIモデルの精度は、土台となるデータサイエンスの基礎研究と人材育成の厚みに支えられています。東京大学との産学連携を通じて、この基礎に継続的に取り組む意義は小さくありません。
GMO-PG連結企業集団は今後も、東京大学との産学連携を通じて、教育と事業の現場をつなぎ、そこで得られた知見を、より良い決済・金融サービスの提供に生かしてまいります。
FAQ
よくある質問(FAQを開く)
Q. GMO-PGと東京大学の産学連携はいつ始まりましたか?
A. GMO-PGは2018年4月から、東京大学のデータサイエンティスト養成講座(DSS)に協力しています。模擬データの提供や講義、実践演習への参加などを行ってきました。
Q. DSSとDSPでは、どのような取り組みを行っていますか?
A. DSSではデータサイエンスの教育や実践演習への協力を行っています。2022年4月から始まったDSPでは、企業の実際の課題をテーマに、大学と企業が共同でプロジェクトに取り組んでいます。
Q. 「GMO後払い」の支払予測とは何ですか?
A. 利用者の支払い履歴を時系列データとして分析し、注文の段階で支払いまでの期間や未払いとなる可能性を予測するものです。不正検知とは異なり、不正とは限らない取引も対象とします。
Q. 東京大学との共同プロジェクトの知見はどのように活用されていますか?
A. 支払予測の知見をGMO-PSが実際の事業環境やデータに合わせて検証・調整し、「GMO後払い」の与信審査に活用しています。
(by あなたのとなりに、決済を 編集チーム)
※本コンテンツ内容の著作権は、GMOペイメントゲートウェイ株式会社に属します。