決済成功事例
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鉄道の枠を超える1,100万会員のデジタル戦略。JR西日本がGMO-PGを"共創パートナー"と呼ぶ理由
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かつて盤石と思われた「移動」を価値とするビジネスモデルは、2020年のパンデミックにより転換を迫られました。西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)は、「暮らし」そのものを支える企業への変革を決意し、グループ共通のID基盤「WESTER ID」と、それを支える「共通決済基盤」を構築。現在、会員数は1,100万人を突破しています(2025年12月末時点)。
大きな変革のパートナーとして選ばれたのがGMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)です。数ある決済代行事業者の中から、なぜGMO-PGなのか。JR西日本のDX推進を担う樋口 芳章氏と坂本 雄彦氏に、その舞台裏と未来への展望を語っていただきました。
危機からの脱却。デジタル戦略の要は「ID・ポイント・決済の統合」
「大阪駅から人が消えた日」の衝撃
JR西日本は、北陸から九州北部までの広大な鉄道ネットワークに加え、駅ナカ店舗やホテル、不動産開発など、人々の生活に寄り添う多角的な事業を展開するインフラ企業です。しかし2020年頃、その強みであるはずの事業ポートフォリオが試練を迎えました。
「コロナ禍で大阪駅から人がいなくなるという、信じがたい光景を目の当たりにしました。鉄道はもちろん、ホテル・ショッピングセンター・飲食...私たちが展開する事業のほとんどは『人の移動』に連動しています。唯一影響が少なかったのは不動産事業くらいで、それ以外は非常に厳しい状況に置かれました」
当時をそう振り返るのは、デジタルソリューション本部システムマネジメント部CCoE・モダナイズ課長の樋口 芳章氏。 鉄道事業という一本足打法のリスクを痛感した同社は、2020年、デジタル戦略へ大きく舵を切ります。まずは社長直轄の組織としてデジタルソリューション本部が立ち上がり、その挑戦が始まりました。
バラバラの決済が招く「顧客体験の分断」
しかし、実際の現場には大きな課題がありました。JR西日本グループのサービスは、それぞれの事業ごとに個別最適化されて構築されていたのです。
「サービスごとに利用している決済システム(PSP)も違えば、サービスを使うためのIDもバラバラ。ポイントサービスもいくつかある、というような状況でした。これでは、お客様が新しいサービスを使おうとするたびに、クレジットカード情報を入力し直さなければなりません。この手間は、ECの世界で言う『カゴ落ち(離脱)』の要因になります。なにより、グループ全体でお客様の体験を一気通貫でつなぐことができず、顧客情報の正確な把握ができない状態にありました」(樋口氏)
JR西日本が目指したのは、鉄道予約・ホテル宿泊・駅ナカでの買い物・ポイント利用といったグループ内のリアル・デジタル問わずあらゆるサービスを、一つのIDでシームレスにつなぎ、顧客体験の価値を高めていくこと。それが「WESTER ID」構想の始まりでした。
IDとポイントの共通化が進む中で、決済部分の統合も不可欠でした。
計画時からJR西日本を担当しているGMO-PGの林田 祐磨にとって、大きく印象に残っているのが「決済がないままでは不十分。決済も統合しなければ、真のユーザー体験は完成しない」という当時のJR西日本の担当者様のコメント。こうしてデジタル戦略を加速させるため、グループ横断で利用可能な「共通決済基盤」の構築が急務となりました。
JR西日本のデジタル戦略のポイントは大きく以下の3つ
- バラバラだった各サービスのID・ポイント・決済を共通化
- 共通化に伴う顧客体験の向上(グループサービス内でのカゴ落ち抑止)
- 将来の拡張性を見据えた決済サービスとの接続
「機能」だけでは選ばない。決め手は"非金融"企業への「伴走力」
4つの選定基準と、GMO-PGの「提案力」
共通決済基盤のパートナー選定にあたりJR西日本が重視したのは、拡張性・セキュリティ・コスト、そして人(提案力・信頼性)の4点でした。
クレジットカードだけでなく、コード決済・キャリア決済など多様な手段への対応。そして、将来的なOMO(Online Merges Offline)の可能性を見据えた対面決済端末との連携--。多くの要件が並ぶJR西日本のRFP(提案依頼書)に対し、複数の決済代行会社による提案が検討されました。
JR西日本が最終的にGMO-PGを選定した大きな理由は、スペック表には表れない「当事者意識を持った提案」だったといいます。
「必要な機能がある決済代行会社は他にもあります。でも、GMO-PGは単にプロダクト(機能)を提案するのではなく、『JR西日本の課題をどう解決するか』を一緒に考えてくれました。鉄道会社である当社は、非金融企業であり決済の専門家ではありません。だからこそ業界の常識や、時には実現困難と思われるような相談に対しても、真摯に向き合ってくれるパートナーが必要でした」(樋口氏)
JR西日本がデジタル戦略に舵を切る少し前、GMO-PGは複数ある決済代行の1社としてKANSAI MaaSに参画。「MaaS基盤の整理やご提案を伴走させていただいた実績もご評価いただき、WESTER ID構想でもお声がけいただきました」(GMO-PG 林田)
「この会社となら一緒に走れる」という信頼
選定時のJR西日本社内の評価資料には、GMO-PGに対して「提案力・費用・実績・将来性、どの観点をとっても問題がない」という高い評価が残されていたそうです。
当時、JR西日本はデジタルサービスのリリースラッシュを控えていました。 MaaSアプリ・ECモール、そして独自のコード決済サービス「Wesmo!(ウェスモ)」を含めた構想中の各サービスまで--。これらをスピーディに開発しなければならない状況下で、GMO-PGのレスポンスの早さと体制構築力は心強いものだったといいます。
「当時の私たちは、デジタル戦略を一気に進めるぞという時期で、スピード感が重要でしたが、GMO-PGはそのスピード感にしっかりとついてきてくれました。提案依頼から決定までの意思決定も早かったですが、それ以上に『この会社となら一緒に走れる』という信頼感が大きかったです」(樋口氏)
「実際、JR西日本様よりご提案依頼をいただいてから決済事業者が選定されるまでの期間や意思決定のスピード感は想像していたよりも早いものでしたが、当時の上司とともに徹底的に対応することを決め、ご期待を超えられるサービス提供を目指していました」(GMO-PG 林田)
2.5人で挑んだコード決済「Wesmo!」立ち上げ
「素人案」をビジネスに変える力
共通決済基盤の構築と並行して進められていたのが、鉄道会社初となる独自のコード決済サービス「Wesmo!(ウェスモ)」の立ち上げです。 しかし、プロジェクト発足当初の体制は、樋口氏を含めてわずか「2.5人」。システム担当も不在という状況からのスタートでした。
キャッシュレス業界で勝負していく上での業界の歩み方をGMO-PGから学んだ、という樋口氏。
「右も左も分からない状態でしたので、GMO-PGの林田さんにアイデアをぶつけ続けました。幸い、物理的にも非常に近い距離でもありますので頻繁にお邪魔させていただいて『こんなスキームは組めないか』『加盟店戦略はどうすべきか』などご提案というか壁打ちのような様相でしたね。オンライン取引に知見のあるGMO-PGに対し、こちらはまだまだ素人。突飛なアイデアに対しても、彼らは『それは業界のルール上難しいですが、この方法なら可能です』と、常に建設的な対案を出してくれました」
時にはエンジニアも同席し、技術的な実現可能性をその場で議論することもあったといいます。単なる「決済システムの提供者」ではなく、「事業開発のパートナー」として共に悩み、共に創る。このGMO-PGのスタンスが、短期間でのサービスインを支えました。
「数あるサービスがある中で、プロダクトがいいのは当たり前だと思うんです。GMO-PGは私たちの課題にどう解決するか一緒に考えてくれる。『一流』だと感じますね」(樋口氏)
樋口氏と同じく共通決済基盤に携わるデジタルソリューション本部システムマネジメント部CCoE・モダナイズ主席の坂本 雄彦氏もGMO-PGの対応を評価しています。「GMO-PGは、Wesmo!のPSPとしてだけではなく、Wesmo!事業そのものをどうしていくのか、Wesmo!のこれからの可能性を示唆いただける存在だと思っています。全般的な知識もありレスポンスも早く、気軽にご相談させていただいています」
JR西日本(左から)樋口 芳章氏・坂本 雄彦氏
システムと人を支える「信頼」の証
「安定稼働」というインフラ企業ならではの文化
2023年の導入から約2年半。会員数は1,100万人を突破し、WESTER IDと共通決済基盤は、JR西日本グループの巨大なトランザクションを支え続けています。 インフラ企業であるJR西日本にとって「システムが止まらないこと」は絶対条件です。
坂本氏はこう語ります。「PGマルチペイメントサービスは、障害がほとんどありません。インフラとして『安定稼働が当たり前』という文化になっているため、社内でもシステムの存在を意識することがないほどです。これは非常に質の高いサービスであることの証明だと感じています」
その「当たり前の安定」を裏で支えているのは、PGマルチペイメントサービス自体だけではなく、やはり「人」の力でした。
お盆の夜のアラート対応
樋口氏には忘れられないエピソードがあります。独自の決済サービス「Wesmo!」がサービスインして間もない頃のことです。
「GMO-PGから、不正利用(クレジットマスター攻撃)の可能性を知らせるシステム通知が届きました。世間はお盆休みの真っ最中、しかも夜間です。『これはまずい、どう対処すればいいんだ』と焦り、GMO-PGの林田さん・同じく当社を担当されている木村さんにSlackで連絡を入れました」
林田はすぐに電話をつなぎ、樋口氏に状況の説明を行いました。
「その場で分析していただき、『今すぐ大量アタック遮断サービスを導入しましょう』と提案を受けました。手続きもその場で行い、迅速な対応のおかげで被害拡大を未然に防ぐことができました」(樋口氏)
両社の連携によりクレジットマスター攻撃を抑えたこの一連の出来事は、「人」の力でリスクを封じ込めた事例ともいえるでしょう。
「日常の運用の中でも困ったときにすぐ駆けつけてくれる。システムだけでなく、人も24時間稼働で支えてくれているような安心感がありました。この信頼感は何物にも代えがたいものです」
「黒子」から「共通ウォレット」へ。JR西日本が描くOMOの未来
グループの「財布」としての進化
現在、JR西日本は「共通決済基盤」をさらに進化させようとしています。特に注目すべきは、主要サービスであるインターネット予約「e5489(いいごよやく)」の参画です。これにより、新幹線の予約やWesmo!への残高チャージ、WESTERモール等でのオンラインショッピングが1つの決済基盤でつながることになります。
「『e5489』のような大規模な鉄道サービスが加わることで、決済基盤の重要性は高まります。例えば、新幹線予約で登録したカードが別のサービスでも使えること、逆に削除すれば使えなくなってしまうこと。そういった『JR西日本の共通デジタルウォレット』としての利便性とルールをお客様に意識・理解していただくブランディングが必要だと個人的には考えています」(樋口氏)
「GMO-PGは決済代行として随一の実績を有しており、黒子として様々な事業者様の決済を担ってきたという歴史があります。これからどうしていくのか、ぜひ一緒に考えていきましょう」(GMO-PG 林田)
認証と決済が「N対N」になる未来
JR西日本がさらにその先に見据えるのは、真のOMO(Online Merges Offline)の実現です。 樋口氏は、これからの決済はどんどん「オンライン化」していくと予測しています。
「ホテルや店舗での体験そのものはリアルですが、決済という行為自体はアプリや顔認証などを通じて、バックグラウンド(オンライン)で処理される世界になっていくのではないでしょうか。もはや対面決済端末の前に立つ必要すらなくなるかもしれません」
顔認証・RFID・スマホタッチ...。「認証手段」は多様化し、それに紐づく「決済手段」もポストペイ・プリペイド・デビットと多岐にわたります。これらが「N対N」で自由に結びつき、利用者が決済の煩わしさを意識することなく、スムーズにサービスを享受できる世界。
「そうした未来を実現するためには、リアルとデジタル両方のアセットを持つ私たちと、決済のプロフェッショナルであるGMO-PGの共創が不可欠です。単なる決済代行の枠を超えて、まだ世の中にない新しい価値や体験を一緒に作っていきたい。そう強く願っています」(樋口氏)
DXを成功に導くパートナー選びとは
JR西日本の事例が示すのは、デジタルトランスフォーメーション(DX)におけるパートナー選びの重要性です。システムのリプレイスや統合は、単なる「置き換え」ではありません。それは企業のあり方や顧客との関係性を再定義するプロセスそのものです。
JR西日本は、GMO-PGというパートナーを得ることで、複雑なシステム統合を成し遂げただけでなく、セキュリティという守りを固め、さらには「決済を意識させない決済」という未来の顧客体験へ向かって走り出しました。
「プロダクトが良いのは当たり前。大切なのは、課題に向き合い、一緒に考えてくれるかどうか」--樋口氏のこの言葉こそが、不確実な時代を生き抜くすべてのビジネスリーダーへのヒントになるのではないでしょうか。
日本の西側から始まる新しいペイメントエクスペリエンス(PX)の変革は、まだ始まったばかりです。
■ JR西日本様が導入したサービス・ソリューション
今回のプロジェクトでは、多様な決済手段の一括導入に加え、高度なセキュリティ対策が採用されています。
- PGマルチペイメントサービス
- クレジットカード決済、PayPayやd払いなどのコード決済、キャリア決済など、あらゆる決済手段を一括で導入・管理できる総合決済サービス。JR西日本グループの多様なサービスの決済を統合する基盤として採用。
- 大量アタック遮断サービス
- クレジットマスター攻撃の機械的な大量アクセスを即座に遮断し、真正なユーザーの取引を守るセキュリティソリューション。
自社の決済基盤構築や、デジタル戦略のパートナーをお探しの企業様は、ぜひGMO-PGへご相談ください。業界トップクラスの知見と提案力で、貴社のビジネスを加速させます。
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西日本旅客鉄道株式会社 近畿・北陸・中国・九州北部エリアを基盤に、鉄道事業を展開する西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)。「安全」を最優先としつつ、近年はグループ共通ID「WESTER ID」を軸としたデジタル戦略やMaaSの推進に注力しています。鉄道の枠を超え、買い物や観光などお客様の生活全体をサポートする「ライフデザイン分野」を拡大し、西日本エリアの活性化と持続可能な社会の実現に取り組んでいます。 |
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Wesmo!(ウェスモ) 2025年5月より提供を開始した、JR西日本独自のキャッシュレス決済・ウォレットアプリ。QRコード決済としてWESTERポイントが「たまる・つかえる」だけでなく、チャージ残高の送金機能も搭載。「Moving is Value」を掲げ、決済を通じて移動と地域経済の循環を加速させる、新たな金融プラットフォームです。 |
サービス紹介
PGマルチペイメントサービス
PGマルチペイメントサービスは、決済代行会社(PSP, Payment Service Provider)であるGMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供する決済プラットフォームです。スタートアップから中小~大手企業まで、業種・規模を問わず幅広い事業者様に導入されています。
連結163,890店舗、年間の決済処理金額21兆円・処理件数72.2億件(※)という膨大な決済を支える強固なインフラを提供。さらに、グローバルセキュリティ基準PCI DSS Ver4.0.1に完全準拠しており、あらゆるビジネスの安全な決済環境を支援します。
- 都度決済および、サブスク(定期購入・継続課金)にも対応
- ニーズに合わせた接続方式をご用意(「OpenAPIタイプ」「リンクタイプPlus」)
- HDI国際認定 取得済みのカスタマーサポート部門が手厚くサポート
※2025 年 9 月末時点、連結数値

