今知っておきたい 私たちのライフスタイルを変える「キャッシュレス化」最前線

今知っておきたい
私たちのライフスタイルを変える「キャッシュレス化」最前線

マイナビニュース2018年2月27日掲載記事より
元記事:https://news.mynavi.jp/kikaku/20180227-586824/

時代はキャッシュレス。そんな合言葉が聞こえてくるほどキャッシュレスが世界の潮流となっている。ネットショッピングやクレジットカード、電子マネーを使う以外にも、世界では新たなキャッシュレス化の波が押し寄せており、日本でもその流れは加速していくと見られている。このキャッシュレス化は、我々の生活を変える力を持っているのだ。

まだ現金を使っているの?
キャッシュレス化がもたらす変化とは?

キャッシュレスというと新しい技術のようなイメージがあるが、実はすでに多くの人がキャッシュレス決済に触れた生活をしている。 電車に乗るときやコンビニエンスストアで買い物をするときに、カードやスマホでレジにピッとタッチするのもキャッシュレス決済だ。私たちはすでに、普通にクレジットカードや電子マネーで「キャッシュレス」な生活をしている。

このキャッシュレス化、「現金を使わない」ということだけではなく、「ライフスタイルの変化」も、もたらしている。

「シェアリングエコノミー」―「所有」から「共有」へ

キャッシュレス化で変わるライフスタイル――そのひとつの例として話題となっているのが「シェアリングエコノミー(共有経済)」だ。

ライドシェアサービスの「Uber」、民泊サービスの「Airbnb」など、さまざまな話題を提供するシェアリングエコノミーは、資産・モノ・時間・情報などを提供したい個人と、それを利用したい個人をマッチングさせる仕組みだ。 インターネットとスマートフォンの普及と進化によって、提供する個人とそれを求める個人が素早く、簡単にマッチングできるようになったことが、シェアリングエコノミーの実現につながった。

日本でもフリマアプリを始めとして、シェアリングエコノミーのサービスが身近になってきているが、ここではいくつか海外の事例を紹介しよう。

そのひとつが、今、中国で活況を呈している自転車をシェアするサービスだ。レンタルの予約から返却、支払いまで、すべてスマホアプリで完結する手軽さがうけ、多くのユーザーを獲得している。

中国の自転車シェアサービス

自転車だけでなく、他の分野でもシェアリングエコノミーのサービスは行われている。カナダで生まれた洋服のシェアサービス「BORO」は、 企業によるレンタルサービスではなく、個人所有の洋服やバッグ、アクセサリーなどを貸し借りできるサービスだ。 結婚式やパーティのために買った高級なドレスなど、毎日は使わない洋服を貸し出し、個人が簡単に収益を出すことができる。眠らせていた洋服が、資産になるのだ。

洋服のシェアサービス

モノではなく個人の能力をシェアするユニークな取り組みもある。アメリカで登場している知識や労働力などを提供する「TaskRabbit」などがその一例だ。日本国内でも同様に家事代行などのシェアサービスがあり、個人間の取引が多く登場している。

知識や労働力などのシェア

こうしたシェアリングエコノミーを支えるのが、個人間でも簡単に決済が行えること、そして信用の担保ができることであり、それを実現するのが「キャッシュレス化」なのだ。

新しい銀行のかたちースマホアプリ✕銀行が作る未来

キャッシュレス化が進むにあたり、多額の金銭を取り扱う銀行でも大きな変化が起きている。これまで、現金を引き出すときはATMで下ろすことが前提だったが、スマートフォンのアプリ(以下スマホアプリ)と銀行口座を連動させたサービスを始める銀行も出てきている。

スマホを中心に変わるお金の流れ

中国の銀行サービスでは、スマホアプリを使い、2次元バーコードを読み込んで銀行口座から直接支払いをする、という方法も進んでいる。日本でも同様のサービスは登場してきており、スマホがあればクレジットカードやデビットカードを持たずともキャッシュレス決済ができるのだ。

こうしたスマホでの決済が普及することで、予約から支払いまでスマートフォン上で一気通貫ででき、その間にサイフを取り出す必要もなくなる。日常生活の支払いで現金が不要になるのだ。銀行口座に直結しているので、クレジットカードを持っていない、または使いたくないという人でもキャッシュレス決済のハードルが下がり、利用者の拡大も期待できる。

また出入金の情報がスマホアプリに集約されるため、家計簿アプリと連動させることで収支を自動で付け、資産が可視化できるようにもなる。支払いの場面以外でも銀行との関わり方がより便利なかたちに変わって来るだろう。

FinTechでキャッシュレスが進む、海外の最新銀行事情

銀行口座とスマホアプリを連動させることが今日本で進められているが、世界に目を向けてみるとスウェーデン、ノルウェー、デンマークの北欧諸国などでは、銀行のキャッシュレス化がさらに進んでいる。

キャッシュレス化イメージ

もともとカード決済が普及していたこと、銀行口座の所有率が高いことなど、キャッシュレス化をしやすいバックグランドが整っていたこともあるが、デンマークを例に挙げると現金の流通を少なくさせる政策がとられていたり、さらには現金を取り扱わない銀行支店も登場し、現金を扱う量や市中のATMの設置台数が減ることで、大幅なコスト削減につながっていることがキャッシュレス化を押し進めている。実際に現金の流通が減ることで、盗難や窃盗などの犯罪件数も減っているという。

さらに、北欧諸国では政府や銀行から支援を受けたFinTechのスタートアップ企業も多く登場している。これらの企業は北欧や欧州にとどまらず、アメリカやアジアへの進出も検討しているという。今後これらのスタートアップ企業を起点に、新しい潮流が生まれるかもしれない。

現在、日本のキャッシュレス決済率は約18%である。この数字をどう思うだろうか? 世界のキャッシュレス決済率を見ると、アメリカは約46%、イギリスは約64%、韓国にいたっては約99%と、日本は世界と比べとても低いのである。日本政府は2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向けて大都市圏の主要施設での100%キャッシュレス決済対応を目指すこと、2027年6月までにキャッシュレス決済の比率を40%まで引き上げることを目標としている。

来日観光客

キャッシュレス化がきっかけになって、お金の形だけでなく、わたしたちのライフスタイルも、より手軽で便利なかたちに変わって行くだろう。

さて、このキャッシュレス決済を根底から支えているものが「テクノロジー」だ。

今回、決済業界のリーディングカンパニーとして、日本のEC成長を支え、新たなイノベーションを牽引しているGMOペイメントゲートウェイ株式会社のメンバーに、キャッシュレス決済の今とこれからを聞いた。

キャッシュレス決済を支える
GMOペイメントゲートウェイの社員が語る「最前線」

今後、わたしたちのライフスタイルを大きく変革していくであろう「キャッシュレス化」。様々な可能性やサービスを紹介してきたが、実際にキャッシュレス決済の最前線で何が起こっているのだろうか。

キャッシュレス化社会を支えるGMOペイメントゲートウェイで働く3名の方に、それぞれどのように関わっているのか、また今後どうなっていくのかを伺った。

谷中 亮

谷中 亮さん

GMOペイメントゲートウェイ株式会社
イノベーション・パートナーズ本部 戦略事業統括部 イノベーション戦略室

キャッシュレス化で変わるライフスタイルとして、シェアリングエコノミーが挙げられていますが、順を追って解説したいと思います。
まず、ネットショッピングの登場で、これまでお店に行き現金で買っていたものが、時間・場所問わずにインターネット上で買い物ができるようになりました。ネットショッピングはこの利便性に目が行きがちですが、実は、クレジットカードで支払った場合などは現金を使わずに購入でき、キャッシュレス化ももたらしています。
このキャッシュレスな支払い方法は、フリマアプリのようなネット上で個人から購入できるサービスを出現させ、更には、個人からモノを買うだけでなく、個人の時間や情報などを提供し利用できるようなシェアリングエコノミーを実現しました。

ところで、フリマアプリは、ネットショップの延長で、企業・メーカーから買うか個人から買うかの差しかないと思ってないでしょうか。フリマアプリなどのCtoC(個人間取引) ECやシェアリングサービスは、現行のクレジットカード業界のルールや慣習が当てはまりにくく、クレジットカード決済の導入にハードルがあります。つまり、ネットショップと同じようにはキャッシュレス化できないのです。

私はこの課題に入社3〜4年目ながらリーダーとして取り組み、独自の審査項目やルール・制度などの設計を実施し、今ではクレジットカード決済サービスの導入を可能としています。また、例えば、この市場では買い手も売り手も個人なので、売り手に売上金を引き渡す際は、企業向けとは違った仕組みが必要となります。そこで”送金サービス”という新しいサービスを構築するなど、より市場が活性するよう支援しています。

CtoC ECやシェアリングサービスの市場においては、審査・与信・決済というのは非常に重要なファクターです。当社のサービスやノウハウを市場に提供・還元し、市場が健全に成長できるよう貢献していきたいと思います。

畑田 泰紀

畑田 泰紀さん

GMOペイメントゲートウェイ株式会社
イノベーション・パートナーズ本部 戦略事業統括部 スマートペイ事業推進室

私は5年以上前からスマートフォン事業の責任者として、スマートフォンを使った決済サービスの企画からサービス提供までを担当しています。最近は、当社のもつスマホ決済のスキームを銀行向けに展開するなど、金融機関向けビジネスに注力しています。

2014年、私はスマホアプリ上でカード支払いが完結するスマホ決済サービスを立ち上げました。オンライン決済代行が主力事業の当社の中で、社内起業家(イントレプレナー)として手がけた新規事業です。

その後、金融機関が「FinTech」を活用した新しいサービスを検討されるなか、当社のスマホ決済サービスと金融機関との親和性が高いことから、スマホ決済の基盤システムを金融機関にOEM提供するようになりました。特に、スマホ決済サービスの開発やサービス提供で培った知見・運営ノウハウ・技術力などを活かし、横浜銀行様と共同で開発した「銀行Pay」は、購入者がスマホアプリから即時に銀行口座引き落としによる支払いができるサービスで、キャッシュレスな決済を実現しています。

キャッシュレス化について、多くの銀行のご担当者様と話をしていると、各銀行様とも、自らがキャッシュレス化に向かって先陣を切って進んでいるように感じます。

「銀行Pay」も、横浜銀行様が1行でキャッシュレスサービスとして提供するのではなく、他の地方銀行や金融機関などへも展開し、地域を超えた銀行間のサービス連携を目指して取り組まれています。私も横浜銀行様とこの展開を進めるべく、担当者様と一緒に全国を周り多くの銀行にご提案させていただいています。 私は、こうした金融機関に対して、決済システム提供会社という立場ではなく一緒にイノベーションを起こすパートナーとして、金融機関の新たな取り組みを実現することが当社の使命と考えています。

キャッシュレス化は加速していくでしょう。そのなかで当社は、強みとする決済インフラ構築力やビジネス企画力・提案力と言ったスキーム構築力を駆使し、金融機関と一体となって活発化させていきたいと思います。

駒井 直

駒井 直さん

GMOペイメントゲートウェイ株式会社
システム本部 R&D担当

10年以上決済業界に携わっていますが、一番大きな転換点は、スマートフォンの出現と普及と考えます。
一般消費者のライフスタイルに非常に深く、すばやく入り込み、根を張って定着したという点で、とても大きな変わり目であったと身をもって感じているためです。

スマートフォンは、単純に電話とPCが合体したものではなく、キャッシュレスやデータ分析に繋がる個人データのターミナルとして大きく機能しており、距離の差はあれど様々なテクノロジーが日常生活に根を張る大きな要因になったと考えています。

また、今回のテーマである「キャッシュレス化」も大きな転換点になるとみています。キャッシュとは信用の具現化なので、その流通や保存、記録のために大きなコストを払う必要があります。つまりは、社会を運用するコストです。これを電子的に扱うことで、時間、場所、労働、管理などあらゆるコストを大きく圧縮し、その力を新しい価値の創造へ注ぐことが可能になります。

現在、私はシステムのR&D担当として、新たな技術が当社サービスにおいてどの分野でどのように活用できるか、実際に実装・利用して検証しています。特に注力しているのは、データ解析・機械学習です。簡単に言うとAIの分野です。具体的な内容は言えないのですが、当社には億件単位の決済トランザクションデータを保有しており、かつ決済のエリアでは取り組むべきテーマが明確です。漠然と”データを利用して何かする”という状況とは一線を画し、既に具体的な課題感を持って進めています。 そのほか、ブロックチェーン技術にも興味は大きく、例えば、当社のコアである決済代行事業は、カード会社、加盟店様、カードブランド等多数のステークホルダーを跨いで、確実に価値の移転を記録することが重要な使命の一つであり、この枠組みを大きく変える可能性を秘めていると考えています。

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