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オーソリ承認率とは?カート投入から決済完了までのファネルと、利益を最大化する3つの改善ステップ

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この記事のポイント

  1. オーソリ承認率の低下が招く具体的な機会損失額と、見過ごされがちな経営リスクについて解説します
  2. カート投入から決済完了までの「決済ファネル」を6つのプロセスに分解し、追うべきKPIを定義します
  3. UI改善、3Dセキュア最適化、エラーコード分析など、各ファネルの離脱(カゴ落ち)を防ぐ具体的な改善策を提案します

INDEX

オーソリ承認率の低下は、事業成長を阻害する「見えないボトルネック」

オンライン取引のクレジットカード決済における「オーソリ(オーソリゼーション/与信照会のこと)」が決済完了に至る"最後のゲート"であること。これは経営層のみならず、ECビジネスを牽引する責任者や担当者の皆様であれば、その重要性はすでに痛感されていることでしょう。

ここで一つ、売上最大化の観点から重要な確認をさせてください。

貴社のサイトにおいて、直近の「オーソリ承認率」の具体的な数値と、それがたった1%低下した際に生じる「年間の機会損失額」を、すぐに思い浮かべることはできるでしょうか?

もし、「システム担当や決済代行会社に任せきりになっている」「全体のコンバージョン率(CVR)は追っているが、決済ファネル単体の数値までは見えていない」ということであれば、それは事業成長において危険な「ビジネスの死角」を放置している可能性があるのです。

具体的な数字で見てみましょう。

例えば、月商1億円規模のECサイトにおいて、オーソリの段階で決済が弾かれる(失敗する)割合が「1%」増えたとします。これによる損失は、単純計算で月間100万円。年間では1,200万円もの「本来得られるはずだった売上」が、誰の目にも留まらず静かに流出していることになります。

広告費をかけて集客し、魅力的な商品を並べ、購入を決意したユーザーにカートへ商品を入れてもらったのにも関わらず、最後のゲートである「決済」という穴の空いたバケツから、大切なユーザーがこぼれ落ちている----。これが、オーソリ承認率の低下が招く機会損失の一例です。

本記事では、カート投入から決済完了に至るまでの「決済ファネル」を分解。追うべき重要な指標やKPIの定義から、具体的なオーソリ承認率の改善ステップまでを網羅的に解説します。

「売上」だけを見ていては気づけない。決済ファネルと重要KPI

多くのEC事業者の皆様は「サイト訪問数」と「売上」の2点は少なくともチェックしているでしょう。しかし、ユーザーが商品をカートに入れてから実際に決済が完了するまでには、目に見えない複数の関門が存在します。

どこでユーザーが離脱(カゴ落ち)しているのかを正確に特定するためには、以下の6つの段階(プロセス)とKPIを分解してモニタリングする必要があります。

GMOペイメントゲートウェイ(以下、GMO-PG)ではカート投入から決済完了までのプロセス(ファネル)と、各段階での重要な指標を計算ロジックとともに定義しています。これらは国内で最大級の決済処理実績を誇るGMO-PGのオンライン決済サービス「PGマルチペイメントサービス」ご利用中の加盟店データから算出したものです。

では、事業者が注視すべきポイントとKPIを見ていきましょう。

※以下のプロセスは取引時を対象としています。会員登録等によるクレジットカード登録時のプロセスは異なります。

PX+ by GMO -- Payment Funnel

カート投入から決済完了までの重要指標とKPI

カート投入を100としたときの各ステージの流量イメージ

オーソリ承認数 ÷ クレジットカード決済実行数

→ クレジットカード決済完了率

オーソリリクエスト数 ÷ 3DSリクエスト数

→ 3DS認証成功率

チャレンジ認証成功数 ÷ チャレンジ認証数

→ チャレンジ認証成功率

オーソリ承認数 ÷ オーソリリクエスト数

→ オーソリ承認率

決済完了数 ÷ 決済実行数

→ 決済完了率

カゴ落ち数 ÷ カゴ投入数(セッション)

→ カゴ落ち率

カゴ投入数(セッション)
決済実行数
離脱
クレジットカード決済実行数
クレカ
以外
EMV 3-Dセキュア(本人認証)
3DSリクエスト数
離脱

3DS認証
低リスク数

3DS認証中リスク数
(チャレンジ認証数)

チャレンジ
認証成功

失敗/
離脱

高リスク

オーソリリクエスト数
オーソリ承認数
失敗
↓ すべての決済手段(クレジットカード+その他)を含む
決済完了数
カゴ落ち数 カゴ投入後・未決済のセッション合計

※ 横幅はカート投入数を100としたときの流量イメージです。実際の数値はサイト・業種・商材・時期によって異なります。

① 検討(カゴ投入)

  • 重要指標:カゴ投入数(セッション)・カゴ落ち数(セッション)・カゴ落ち率
    このプロセスはユーザーが商品をカゴ(カート)に入れた段階です。
    ここから最後の決済完了に至らずにサイトを離脱すること全体を広義の「カゴ落ち」と呼びます。離脱要因には各ポイントで「送料が高かった」「アカウント登録が面倒だった」など様々な理由があります。決済時のカゴ落ちは、この先に出てくる「決済フォームの使いにくさ」も影響します。どの段階でのカゴ落ちかを把握することはサイト改善に非常に有効です。
  • カゴ落ち率=カゴ落ち数÷カゴ投入数(セッション)

② 決済開始

  • 重要指標:決済実行数
    ユーザーが購入を決意し、チェックアウトボタンを押下した数=決済手続き画面へ進んだ数です。ここから決済完了までの流れをいかにスムーズにするか、つまり「フリクション(摩擦)のない体験」を提供できるか、が腕の見せ所です。

③ 決済手段選択

  • 重要指標:クレジットカード決済実行数
    決済手段(クレジットカード・Pay払い・コンビニ決済など)を選択するフェーズです。以降の④・⑤のステップでは最も利用率が高く、かつエラーによる離脱が発生しやすい「クレジットカード決済」のフローを解説します。

④ 本人認証(3Dセキュア)

  • 重要指標:3DSリクエスト数・3DS認証リスク率(低・中・高)・チャレンジ認証成功率・3DS認証成功率
    昨今のクレジットカード決済において大きな関門となっているのが、EMV 3-Dセキュア(本人認証/以下、3Dセキュア)です。カード会社(イシュアー)側で取引ごとにカードホルダー本人による取引であるか、についてのリスク判定を行い、以下の3パターンに振り分けられます。
  • 低リスク: 追加認証なしでスムーズに次のステップへ
  • 中リスク: ワンタイムパスワード等の追加認証(チャレンジ認証)を要求
  • 高リスク: 3DS認証NGとして即座にブロック
    ここでは、中リスクと判定されたユーザーがパスワードが分からないための離脱や、真正な本人による取引だったにも関わらず本人ではないと誤判定されてしまい次のステップに進めないなど「3Dセキュア認証起因のカゴ落ち」をいかに減らすかが、現代のEC運営において、極めて重要な要素となっています。
  • 3Dセキュア認証の改善に関する記事はこちらから

⑤ オーソリ(オーソリゼーション・与信照会)

    • 重要指標:オーソリリクエスト数・オーソリ承認数・オーソリ承認率
      3Dセキュアを通過した後、EC事業者(加盟店)からカード会社(イシュアー)に対して行われる与信照会──すなわち「このカードは有効か?指定金額の決済を承認してよいか?」という問い合わせ(リクエスト)です。このオーソリリクエストに対して、カード会社から承認が返された割合が「オーソリ承認率」です。
      反対に、この段階で承認が下りず(いわゆる「与信落ち」や「オーソリエラー」)、ユーザーが購入を断念してしまうことを「オーソリ起因のカゴ落ち」と呼びます。
    • オーソリ承認率=オーソリ承認数÷オーソリリクエスト数

⑥ 決済完了

  • 重要指標:決済完了率(=決済完了数÷カゴ投入数(セッション))

このようにファネルを分解すると、「カゴ落ち」と一言で言っても、

① 検討段階での離脱

④ 本人認証(3Dセキュア)での離脱

⑤ オーソリ承認の失敗

という、性質の異なる3つのポイントがあることが分かります。自社がどのポイントで顧客を逃しているのかを可視化することが、ビジネスの死角を照らす第一歩なのです。

また現在では、決済承認率・オーソリ成功率など様々な表現がみられるようになってきていますが、各社ごとに計算ロジックが異なる点にも注意が必要です。どのポイントでの数値を用いた「率」であるのかなどを把握したうえで改善策を検討することが重要となります。

【業界別】あなたのサイトのオーソリ承認率は高い?低い?その背景は

決済ファネルの中でも、加盟店側からブラックボックスになりがちなのが、プロセス⑤における重要KPI「オーソリ承認率」です。ここからは、GMO-PGの2026年2月の実績※から業界別のオーソリ承認率の目安と、その数字が意味する背景の一部をご紹介します。
※GMO-PGにおける2026年2月の特定カテゴリ実績の参考値です。商材・価格帯・顧客属性・時期・3Dセキュア認証有無や運用等により大きく変動します。

① 物販(EC):比較的高い水準で安定的

PGマルチペイメントサービス加盟店における総合物販・アパレルを中心とした物販ECにおけるオーソリ承認率は比較的高い水準となっています。

  • 一例)物販カテゴリ オーソリ承認率:93.68%

② 家電・高額商材:オーソリ承認は厳しく・低くなりやすい傾向

家電製品・ブランド時計・宝飾品などの高額商材や、転売されやすい限定商品を扱うサイトでは「うちは物販だから安心」とは言い切れません。これらの商材を扱うサイトのオーソリ承認率は低めの傾向が見られます。

  • 一例)家電カテゴリ オーソリ承認率:79.13%

これは、カード会社(イシュアー)側の不正検知システムが厳しく働くためであり、3Dセキュアで守られている一方で本来は問題のない取引であるにもかかわらず、決済が完了しないケースが発生するというジレンマが存在しています。

③ デジタルコンテンツ・電子書籍:物販より低くなりやすい

電子コミック、動画配信、オンラインゲームなどのデジタルコンテンツ系は、物販に比べてやや承認率が低くなる傾向です。

  • 一例)情報コンテンツカテゴリ オーソリ承認率:91.45%

これには以下のような理由が挙げられます。

  • 若年層の利用: クレジットカードの利用限度額が低く設定されている、あるいはデビットカード・プリペイドカードの利用による「残高不足」が発生しやすい。
  • 利用シーンの特殊性: 深夜帯の連続購入(大人買い)や、短時間での高頻度決済が発生しやすく、これらの行動がカード会社のセキュリティロック(不正懸念)を誘発しやすい。

③ 定期課金(サブスクリプション):2回目以降の「魔の谷」に注意

定期通販やSaaSなどのサブスクモデルでは、初回決済はスムーズに通っても、2回目以降の継続課金時に承認率が低下するケースが多々あります。

登録されているカードの有効期限切れや、限度額超過が主な原因ですが、ここで決済が失敗すると「意図せぬ解約(チャーン)」に直結します。LTV(顧客生涯価値)を最大化する上で、継続課金時の承認率維持はまさに生命線です。

なぜオーソリで弾かれるのか?エラー(Gコード)の正体

オーソリリクエストの失敗により決済が完了しなかった際、決済代行会社の管理画面などでエラーコードが返却されます。以下では、その一例としてGMO-PGで用いる3つに大別された代表的なG系エラーコードを紹介します。このコードを正確に読み解くことで、オーソリ承認率低下の「真の原因」を特定できます。

① 入力ミス起因(UI改善で今すぐ防げるもの)

  • G83(有効期限エラー): 有効期限(月/年)の入力ミス、またはカード自体の有効期限切れ。
  • G44(セキュリティコード誤り): カードに記載の3桁または4桁のセキュリティコードの入力ミス。
  • G65(会員番号エラー): 16桁のカード番号の打ち間違い。

これらはユーザー自身のミスに見えますが、「ユーザーがミスをしやすい入力フォーム」である可能性も潜んでいます。

② ユーザー状況起因(別カードやチャージを促すべきもの)

  • G03 / G05 / G55(利用限度額オーバー): クレジットカードの限度額が足りていない状態。
  • G02 / G04(残高不足): デビットカード等で残高が足りない状態。

これらのエラーに対しては、決済不可としてユーザーをただ突き放すのではなく、他の決済手段への変更をスムーズに促す導線設計を行うことで、カードでの売上をほかの決済手段での売上として確保することが可能です。

③ カード会社起因(本人確認が必要なもの)

  • G30(保留判定): カード会社側が「普段と違う利用傾向」などを検知し、セキュリティ判断によって決済を保留にしている状態。

高額商材で頻発しやすいエラーの一つです。この場合、加盟店や決済システム側で解決することは難しく、ユーザー自身からカード会社へ連絡し、利用制限を解除してもらう案内が有効です。

決済ファネルを最適化し、売上を取り戻す「3つのステップ」

ファネルのどこで、なぜ顧客が離脱しているのかが見えてきました。ここからは、将来の売上を取りこぼさないために、具体的な3つの改善ステップを紹介します。

Step 1. 「手段選択」〜「決済実行」のUI/UX改善

入力ミス(G83、G44など)によるカゴ落ちを防ぐため、徹底的に「迷わせないフォーム」を構築します。

  • カード番号の「4桁区切り」表示: 16桁の数字を連続で打たせるのではなく、自動でスペース区切りにし、視認性を高める
  • リアルタイムバリデーション: 入力して購入ボタンを押した後ではなく、入力したその瞬間に「桁数が足りません」「全角になっています」とエラー箇所を赤文字で教える
  • 多様な決済手段の提示: カード決済でエラーになったユーザーや、入力が面倒なユーザー向けに、Amazon PayやPayPayなどの「ID決済・Pay払い」を併記し、リカバリーの選択肢を広げる

Step 2. 「本人認証(3Dセキュア)」の離脱を防ぐ運用最適化

3Dセキュアによるカゴ落ちを防ぐには、3Dセキュアの運用最適化が欠かせません。

現行の3Dセキュアでは、加盟店のセキュリティ対策状況に応じた3つの運用パターンが提示されています。例えば、他のセキュリティソリューションと併用するなどの要件をクリアすることで、一部の疑わしい取引のみ3Dセキュア認証をおこなうといった運用が可能となり、3Dセキュアによる真正なユーザーの離脱を減らしやすくなります。

3Dセキュア運用パターン

3DS運用パターン.png

Step 3. 「オーソリ」でのエラー理由に応じた適切な誘導

エラーコード(Gコード)をECシステム側で判別し、ユーザーの画面に表示させるメッセージを出し分けます。

具体的には、単に「決済できませんでした」と表示するのではなく以下の文言を添えるなど、具体的な「次のアクション」を提示することで、再決済を促しサイト内での売上をカバーします。

  • G03(限度額エラー)の場合: 「別のカードをご利用いただくか、他の決済手段をお選びください」
  • G30(保留)の場合: 「カード会社のセキュリティにより保留されています。ご本人様からカード会社へ利用制限の解除をご依頼のうえ、再度お試しください」

また、定期課金の場合は、有効期限切れのカード情報を自動更新する「洗替(あらいがえ)」機能の導入が有効です。

まとめ:決済ファネルの最適化はプロと共に取り組むべき

カゴ投入から決済完了までのファネルを紐解くと、オーソリ承認率の改善が、単なるシステム上の設定やカード会社要因ではなく、UI/UX・セキュリティ設計・エラーマネジメントを総動員した総合的な事業戦略であることがお分かりいただけたかと思います。

この記事を読み進める中で、「もしかすると、うちのサイトでも知らず知らずのうちに売上を手放してしまっているのではないか?」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。

「自社ショップにおけるオーソリ承認率が低すぎるのでは」

「自社の決済ファネルのどこにボトルネックがあるのか分からない」

「現状の3Dセキュア運用でどれくらい影響が出ているのか不安だ」

そう感じている方は、決済のプロフェッショナルであるGMO-PGにご相談ください。

私たちは国内最大規模の決済処理データと、あらゆる業種での決済ファネル改善ノウハウを持っています。貴社のビジネスに潜む死角をデータからあぶり出し、売上を最大化するための最適なソリューションをご提案いたします。

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はじめの一歩となる今すぐできるアクション

「自社の決済プロセスにおける、カゴ落ち率やオーソリ承認率がどうなっているか」気になった方は、まずはGoogle Analyticsや決済管理画面等から「カゴ投入数(セッション)」と「決済実行数」の差分(カゴ落ち率)を確認してみてください。もしここでの離脱が想定より多い、あるいは「3Dセキュア導入後に売上が落ちた」といった課題があれば、GMO-PGがお力になれる可能性が高いです。ぜひ、お問い合わせフォームからご連絡ください。

サービス紹介

PGマルチペイメントサービス

PGマルチペイメントサービスは、決済代行会社(PSP, Payment Service Provider)であるGMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供する決済プラットフォームです。スタートアップから中小~大手企業まで、業種・規模を問わず幅広い事業者様に導入されています。
連結163,890店舗、年間の決済処理金額21兆円・処理件数72.2億件(※)という膨大な決済を支える強固なインフラを提供。さらに、グローバルセキュリティ基準PCI DSS Ver4.0.1に完全準拠しており、あらゆるビジネスの安全な決済環境を支援します。

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※2025 年 9 月末時点、連結数値

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PX+編集部

執筆者

PX+ byGMO編集部


PX+ byGMO編集部は、GMOペイメントゲートウェイによる、決済・Payment Experience(PX, 決済体験)領域に特化した専門メディアチームです。
決済・EC運営・キャッシュレス全般に関する最新動向や実務ノウハウ、成長企業の事例をもとに、ビジネス成長に役立つ実践的かつ信頼性の高い情報を編集・監修しています。

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