決済基礎知識
記事公開:
【ID決済 導入ガイド】ID決済とは?主要サービス徹底比較とECサイトでの導入メリット
この記事のポイント
- ID決済の仕組みと、購入手続き簡略化によるカゴ落ち防止のメリットを解説します。
- 主要なID決済サービスの特徴や、経済圏を活用した集客効果を整理します。
- 導入・運用の手間やリスクを解消する、決済代行の一括導入法を提示します。
INDEX
ID決済とは、PayPay、Amazon Pay、楽天ペイなどの外部サービスに登録されたアカウント情報(氏名、住所、クレジットカード情報など)を使って支払いを行う決済方法の総称です。ユーザーはIDとパスワードでログインするだけで決済が完了し、新規情報の入力が不要になるため、ECサイトでのカゴ落ちを防ぎ、購入完了率を向上させる強力な手段として注目されています。
決済手段が多様化する現代において、顧客に選ばれるためには利便性の高いキャッシュレス環境の整備は不可欠です。
本記事では、「ID決済」の基本的な仕組みから、主要なサービス比較、導入によって得られる具体的なメリットと注意点、そして複数のID決済を安全かつ効率的に一括導入する方法までを、決済代行のエキスパートであるGMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下GMO-PG)が体系的に解説します。導入検討の具体的な一歩を踏み出すために、ぜひ参考にしてください。
ID決済とは?仕組みと他の決済との違い
ID決済の定義と仕組み
ID決済とは、ユーザーがすでに登録している外部サービスのアカウントを利用して決済を行う仕組みです。別名「アカウント決済」とも呼ばれます。
- ユーザーのメリット: 新たにクレジットカード番号や配送先住所を入力する手間が一切かからないため、数クリック(またはタッチ)で決済が完了します。
- 事業者のメリット: ECサイト側がユーザーのカード情報を保持しないため、情報漏洩のリスクを軽減でき、高いセキュリティを担保できます。
代表的なID決済のタイプ
ID決済は、利用シーンや技術によって大きく以下の3つに分類されます。
- オンライン決済型:
例: Amazon Pay、楽天ペイ、PayPay(オンライン)
ECサイトの購入画面で利用し、アカウントログインで決済を完了します。 - QR/バーコード決済型:
例: PayPay、楽天ペイ、メルペイ
実店舗のレジで利用し、アプリのQRコードやバーコードを提示して支払います。 - 非接触IC決済型:
例: Apple Pay、Google Pay、iD、QUICPay
スマートフォンを決済端末にかざして支払います。内部でクレジットカード情報がトークン化されて利用されます。
ID決済と混同しやすい決済との違い
ID決済の検討時には、名称や使われ方が似ている決済手段との違いを明確に理解しておくことが重要です。
|
決済手段 |
ID決済との違い |
補足 |
|
スマホ決済 |
スマホを使った決済行為全般を指す言葉(カテゴリー)。ID決済(QR/バーコード、タッチ決済)はその一部。 |
スマホ決済は手段、ID決済は「アカウントで支払う」という仕組みを意味します。 |
|
クレジットカード決済 |
カード情報をECサイトで直接入力して支払う仕組み。 |
ID決済は外部サービスに登録済みの情報を呼び出して利用するため、情報入力の手間や情報漏洩リスクを軽減できます。 |
|
iD決済 |
NTTドコモが提供する非接触型電子マネー(おサイフケータイ)。 |
ID決済(アカウント決済)とは全くの別物です。ID決済を導入する際は、この混同に特に注意が必要です。 |
代表的なID決済サービスの特徴と比較
主要なID決済サービスは、それぞれ独自の経済圏を持ち、異なるユーザー層へのアプローチを可能にします。
|
項目 |
PayPay |
メルペイ |
楽天ペイ |
Amazon Pay |
Apple Pay/Google Pay |
|
タイプ |
QR/オンライン |
QR/非接触(iD) |
QR/オンライン |
オンライン決済 |
非接触(NFC)/アプリ内 |
|
利用シーン |
EC・実店舗 |
EC・実店舗 |
EC・実店舗 |
ECサイト特化 |
EC・実店舗 |
|
主な支払い元 |
残高、登録カード |
メルカリ売上金、銀行口座 |
楽天ID登録カード |
Amazonアカウント登録カード |
登録クレジットカード |
|
経済圏 |
SoftBank/Yahoo! |
メルカリ経済圏 |
楽天経済圏 |
Amazon経済圏 |
Apple/Androidユーザー |
|
集客・販促力 |
大規模キャンペーン |
フリマ利用者の取り込み |
楽天ポイントによる送客 |
Amazonユーザーの流入 |
スピーディーな決済体験 |
決済のプロが注目するポイント
ECサイトの場合 Amazon Payや楽天ペイは、すでに巨大な顧客情報を持つため、新規顧客獲得とカゴ落ち防止において効果が期待できます。 実店舗の場合 PayPayや楽天ペイはポイント還元やキャンペーン施策が強いため、来店頻度や購買単価の向上に寄与します。
ID決済導入の具体的なメリット
ID決済を導入することで、事業者(ECサイト・実店舗)は以下の3つの主要なメリットを得られます。
購入手続きの簡略化でカゴ落ちを劇的に防ぐ
ID決済最大のメリットは、購入時の情報入力の手間をほぼゼロにできる点です。
- 新規会員登録が不要: アカウントログインのみで住所や氏名が自動反映されます。
- カード番号の入力不要: 外部サービスに登録済みのカード情報が利用されるため、セキュリティ面での安心感もあります。
ユーザーはわずか数ステップで決済を完了でき、入力途中の離脱(カゴ落ち)を防ぐことで、売上向上に直結します。
経済圏の活用による集客力の向上
ID決済サービスは、それぞれ大規模な会員基盤(経済圏)を構築しています。
- ポイントによる送客: 「楽天ポイントが使えるなら」といった理由で、ユーザーが決済手段を基準にECサイトや店舗を選ぶ動機が生まれます。
- 新規顧客の取り込み: クレジットカードを持たない若年層や、キャッシュレス決済に慣れた層など、今まで取り込めていなかった顧客層へのアプローチが可能になります。
単なる決済手段の追加に留まらず、巨大な販促チャネルとして機能します。
セキュリティ強化と運用リスクの低減
ID決済は、ECサイト側で機密性の高いカード情報を扱わない仕組み(非保持化)であるため、情報漏洩のリスクを大幅に軽減できます。
- 決済情報は各ID決済サービス側が管理するため、ECサイト運営事業者はセキュリティに関する負担を軽減し、本来の事業に注力できます。
- これは、割賦販売法やクレジットカード取引セキュリティ対策協議会の『クレジット取引セキュリティ対策ガイドライン』が求めるセキュリティ基準への対応においても大きなメリットとなります。
ID決済のデメリットと注意点
多くのメリットがある一方で、複数のID決済を導入・運用する際には、特に以下の2点に注意が必要です。
契約・運用の手間とコストの増加
各ID決済サービスと個別に契約し、個別にシステム接続を行う場合、導入・運用負荷が極めて高くなります。
- 契約・審査の手間: 導入したい決済サービスの数だけ、申し込み、審査、システム開発が必要になります。
- 管理の複雑化: 決済手数料率、入金サイクル、売上レポートの形式がサービスごとに異なり、経理や管理部門の負担が増大します。
- コストの変動: 手数料が高いサービスを多く使うと、長期的には利益を圧迫する可能性があります。
サービス内容の違いと混同注意
特に注意が必要なのは、前述の「ID決済」と「iD決済」のように、名称が似ているが仕組みが全く異なるサービスを混同してしまうことです。
- 正確な知識の不足: 導入担当者が仕様を誤解したまま進めると、運用時のトラブルや顧客クレームにつながります。
- セキュリティ要件の違い: ID決済とクレジットカード決済では、セキュリティ上の取り扱いが異なります。決済のプロではない事業者が単独で運用するには、専門的な知識が不可欠です。
ID決済を安全かつ効率的に導入する方法
前述のデメリット(契約・運用の手間、管理の複雑化)を解消し、ID決済を最大限に活用するために、決済代行業者を利用した一括導入が最も推奨されます。
決済代行業者を利用した導入のメリット
決済代行業者を利用する最大のメリットは、契約、システム接続、入金管理を一本化できる点です。
|
項目 |
個別契約(直接契約) |
決済代行業者経由(PGマルチペイメントサービスなど) |
|
契約・審査 |
決済サービスごとに個別対応 |
代行業者との単一契約で、複数のID決済をまとめて導入 |
|
システム開発 |
決済サービスごとに接続開発が必要 |
代行業者との接続1回で全ての決済手段に対応 |
|
入金管理 |
入金日がバラバラで複雑化 |
入金が一本化され、経理処理が大幅に簡素化 |
|
セキュリティ |
自社で個別にセキュリティ対策が必要 |
代行業者の高いセキュリティ環境を共有し、リスクを低減 |
導入工数を最小限に抑えつつ、顧客満足度の高い多様な決済手段を一気に提供できる点が、決済代行業者を利用する最大の優位性です。
「ID決済」の導入ならPGマルチペイメントサービス
ID決済を安全かつ効率的に導入したい企業には、GMO-PGが提供するPGマルチペイメントサービスの利用が最適です。
PGマルチペイメントサービスが選ばれる理由
-
業界トップクラスの豊富な決済ラインナップ:
主要なID決済(PayPay、楽天ペイ、Amazon Pay、メルペイなど)に加え、クレジットカード、コンビニ決済、キャリア決済など、約30種類の決済手段を一括で導入可能です。これにより、決済の多様化ニーズに漏れなく対応し、決済機会の損失を防ぎます。 -
業界最大級の導入実績と高水準のセキュリティ:
GMO-PGは東証プライム市場上場企業として、数多くのECサイトや大規模事業者に決済システムを提供しており、高い専門性と信頼性が評価されています。
国際的なセキュリティ基準であるPCI DSSに準拠し、お客様のカード情報を安全に保護します。 -
手間のかかる運用を一元管理:
複数のID決済の契約・審査・精算・運用を一元管理できるため、導入後の管理負荷を最小化し、本来の事業に集中していただけます。
まとめ
ID決済は、アカウント情報を活用することで、ユーザーにとって利便性の高いスピーディーな決済体験を提供し、EC事業者にとってはカゴ落ちを防ぎ売上を向上させる、現代のECサイトに不可欠な決済手段です。
一方で、複数のサービスを個別で導入・運用するには、契約や管理の手間、セキュリティリスクといったデメリットも存在します。
これらの課題を解決し、ID決済のメリットを最大限に享受するためには、GMO-PGのPGマルチペイメントサービスによる一括導入が最も効率的かつ安全な選択肢です。
自社に最適なID決済の組み合わせや、導入にかかる費用・期間について具体的な情報が必要な方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
GMO-PGの決済コンサルタントが、お客様の事業規模や業態に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。
サービス紹介
PGマルチペイメントサービス
PGマルチペイメントサービスは、決済代行会社(PSP, Payment Service Provider)であるGMOペイメントゲートウェイ株式会社が提供する決済プラットフォームです。スタートアップから中小~大手企業まで、業種・規模を問わず幅広い事業者様に導入されています。
連結163,890店舗、年間の決済処理金額21兆円・処理件数72.2億件(※)という膨大な決済を支える強固なインフラを提供。さらに、グローバルセキュリティ基準PCI DSS Ver4.0.1に完全準拠しており、あらゆるビジネスの安全な決済環境を支援します。
- 都度決済および、サブスク(定期購入・継続課金)にも対応
- ニーズに合わせた接続方式をご用意(「OpenAPIタイプ」「リンクタイプPlus」)
- HDI国際認定 取得済みのカスタマーサポート部門が手厚くサポート
※2025 年 9 月末時点、連結数値

執筆者
PX+ byGMO編集部
PX+ byGMO編集部は、GMOペイメントゲートウェイによる、決済・Payment Experience(PX, 決済体験)領域に特化した専門メディアチームです。
決済・EC運営・キャッシュレス全般に関する最新動向や実務ノウハウ、成長企業の事例をもとに、ビジネス成長に役立つ実践的かつ信頼性の高い情報を編集・監修しています。
「PX+ byGMO」の趣意・監修者リストはこちら