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ECグロース研究所

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【ECグロース研究所】売上を増やすには、まずKPIと目標設定から!現状把握から改善方法までを解説

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この記事のポイント

  1. EC売上を分解し、KGIから逆算したKPI設定の手順を解説します。
  2. 訪問数・CVR・平均購入金額の各KPIについて深掘りしています。
  3. 各KPIに対する具体的な改善アクションとPDCAサイクルについてまとめています。

INDEX

ECグロース研究所とは?「ECサイトの売上を上げたいが、何から手をつけるべきかわからない」「KPIを設定しているものの、どう改善に繋げれば良いか悩んでいる」・・・そんなECサイト運営者やマーケティング担当者の皆様に向けた、実践的な解説記事を連載形式でお届けするコンテンツです。

EC売上向上のための鍵は、まず「売上構造を分解」し、改善すべきポイントを明確にするためのKPIを正しく設定することにあります。特にECサイトにおいては、広告施策やUI/UX改善といった一般的な施策だけでなく、「決済フェーズ」に潜む売上ロスを防ぐ視点も必要になっています。

この記事では、上級ウェブ解析士資格を保有し、数々のECの分析~改善に携わってきた筆者が、売上構造の分解から主要KPIの設定方法や改善の考え方についてわかりやすく解説します。

ECサイトの売上構造を理解する「EC売上方程式」

ECサイトの売上は、突き詰めれば以下の3つの要素で構成されています。

 売上 = 訪問数 × CVR × 平均購入金額

このシンプルな方程式が、KPI設定の出発点です。これを「EC売上方程式」とします。

基本的に、売上を上げるためには、「訪問数を増やす」か「CVR(Conversion Rate、 購入率)を改善する」か「平均購入金額を上げる」のいずれか、または複数を改善する必要があります。

漠然と「売上を上げたい」と考えるのではなく、この3つの指標に分解し、「どの指標が最も改善の余地があるか」を特定することが、効率的な施策実行につながります。

まず、訪問数、CVR、平均購入金額の現状値を算出し、設定したKGI(最終的な売上目標)から逆算して、各KPIに求められる目標値との差分を確認します。

<訪問数>のKPI設定の仕方とポイント

ECサイトの売上は、まず「訪問数」がなければ始まりません。訪問数は、集客施策の成果を測るための最も基本的なKPIであり、同時に企業や商品としてのブランディングの結果のひとつと言えます。

事業フェーズによっては単に数を追うだけでなく、購入や契約に結びつきやすい「質の高いユーザー」をいかに多く連れてくるかも重要になります。

※以降、指標はGoogleアナリティクスでの計測を想定しています

KPIとして追うべき主な指標

訪問数は全体の推移と、「どこからどのくらい来ているか」「どのページから訪問したか」を把握していくために、下記の切り口と指標を見ていきましょう。

  • サイト全体セッション数、総ユーザー数

  • 流入経路別流入数:検索エンジン、有料広告、SNS、メルマガ、アフィリエイトなどの経路別の訪問数。

  • ランディングページ別流入数:サイトトップ、商品一覧など入り口となったページ別の訪問数。

訪問数の目標設定は「売上からの逆算」から考えてみる

年間売上目標(KGI)に対して、現状の平均購入金額・CVRの目標値から逆算し、「最低限確保すべき訪問数」を算出します。

広告媒体別、検索キーワード別に目標値を設定し、特にCVRが高いチャネルへの予算配分を強化します。

前提として、売上目標と、現状サイトの指標が下記のような設定だと考えてみましょう。

売り上げ目標と現状サイトの指標

指標

目標値

年間売上目標

100,000,000円(年間1億円)

平均購入金額

10,000円

CVR

2.0%

逆算による「最低限確保すべき訪問数」の算出

まずは目標の注文件数から算出します。

必要な注文件数(購入件数)を算出

  • 必要な注文件数 = 年間売上目標 / 平均購入金額

  • 100,000,000円 / 10,000円 = 10,000件

次に、注文件数とCVRから訪問数を割り出します。訪問数×CVR=注文件数ですから、注文件数をCVRで割り戻せば、訪問数を導き出すことができます。

最低限必要な訪問数(セッション数)を算出

  • 最低限必要な訪問数 = 必要な注文件数 / 目標CVR

  • 10,000件 / 0.02(2%) = 500,000セッション

この場合、目標を達成するためには、年間で最低50万セッションの訪問数が必要ということになります。

では、上記の年間50万セッションを、集客チャネルやキーワードごとにブレイクダウンし、実績CVRと平均購入金額(10,000円)を元にチャネル別売上目標を算出します。

チャネル

目標訪問数(年間)

実績CVR

実績に基づくチャネル別売上目標(年間)

優先度/アクション

検索エンジン (SEO)

300,000セッション

2.5%

75,000,000円

:CVRが高いチャネルなので、SEOコンテンツ制作や内部施策へのリソースを最優先で強化する。

有料広告 (リスティング)

150,000セッション

1.8%

27,000,000円

:目標達成に必要なセッション数を確保しつつ、特にCVRが高いキーワード/広告への予算配分を強化する。

SNS

50,000セッション

1.0%

5,000,000円

:CVRが低い(購入意欲が低い)ため、まずはブランド認知・接点確保を目的とし、リターゲティングリストの作成など間接的な貢献に留める。

合計

500,000セッション

-

107,000,000円

-

目標設定のポイント

単一のセッション数の目標だけでなく、チャネル別に設定し、どの経路でどのくらいの売上を作る必要があるのかを明確にしましょう。なおかつ、一通り施策を回したら評価して見直すことが必要です。広告にしてもSEOにしても、目標設定時は問題なさそうに見えても、競合の施策とぶつかって結果が出せなかった、ということもよくあります。そのような場合は、最初に決めたチャネルの割り振りを見直す、違うチャネルを増やすなど、柔軟に対応していくことが必要です。

<CVR>のKPI設定の仕方とポイント

CVRは、ユーザーが実際に購入に至った割合を示す指標です。サイト全体の訪問数に対する購入件数でCVRを算出しますが、その割合だけ見ていても具体的な改善にはつながりません。多角的に要因を分析するべきですが、大きくは、「流入経路」と「導線設計」の2点にCVRは左右されます。

KPIとして追うべき主な指標

CVRは訪問してからのユーザー行動が反映された指標ですので、訪問数と同じ切り口を確認しますが、加えてその割合がどこで低下しているか(ボトルネックがどこに存在するか)も確認が必要です。

  • サイト全体CVR:全体訪問数に対する全体購入件数の割合です。

  • 流入経路別・ランディングページ別CVR:勘所は訪問数と同じです。

  • 各ページ遷移率:TOP→商品一覧→商品詳細→カート→購入完了といった、多くのユーザーが通るページ間の遷移率。全経路に共通したボトルネックを特定するのに利用します。

CVRの目標設定は、「まず1%以上」から考えてみる

EC事業者のお客様から、「CVRは業界平均何%ですか」「何%にすれば良いのでしょうか」というご質問をいただくことがあります。そのような場合、少し唐突ですが、「目標値はまず1%(以上)に置きましょう」とお伝えしています。

「1%」と置くのは、実際統計的に見ても平均が1%~だから、という理由があるのですが、弊社ではそれ以上に「目標として取っかかりやすいから」という理由で1%(以上)の設定を推奨しています。

仮に、CVRが1%を下回っているとします。CVRが1%というのは店舗に置き換えれば、100人来店したとして1人しか買わない状態と同じです。もちろん商材や価格などの要因が絡むので、一概にCVRの高低を言うことはできませんが、少なくとも「高くはない状態だ」と言えるのではないでしょうか。そのような考え方からまずは「100人来たら1人買う」という状態を作り出すことから始めましょうと提示しています。

もちろん、1%をすでに超えているなら、さらに上を目指すことになります。こちらの場合は、経路別のCVRや各ページの遷移率などを確認して、上げていく余地があるのかどうかを確認して目標値を設定します。

目標設定のポイント

最初のの目標値を置いたら「何をどうすればCVRを伸ばせるのか」と「伸びる余地があるのか」を確認しましょう。

例えば、流入経路別にCVRを見たとき、全体平均が0.8%で、一番成果が良い検索エンジンがCVR1.2%だとしたら、検索エンジン経由のCVRがなぜ高いのかを分析し、それをほかの経路に横展開可能かを確認しましょう。導線によるものなのか、たまたま質の高いユーザーがそこに集まっているのかなどを仮説を立てながら検証していくと良いでしょう。

また、各ページの遷移率を見て、どこにボトルネックがあるかも確認しておくとよいでしょう。特に、カート画面以降の住所などの情報入力の画面→購入前の確認画面といった、購入完了に近いポイントの離脱は「買う気はあるが何かしらの理由でやめた」「ログイン/会員登録や決済のエラーなどで買えなかった」など、非常に惜しい離脱ですから、優先して原因究明・改善案を考える必要があります。

POINT:決済エラーについて

クレジットカード決済では、利用限度額の超過や、本人認証(EMV 3-Dセキュア2.0)の失敗、不正防止ロジックの誤判定など、ECサイトの機能/UXなどとは別の理由で離脱が発生し、売上を損なっている可能性があります。このような場合は事業者側で原因の特定を行うのは難しいため、利用している決済代行会社やクレジットカード会社(アクワイアラー)に問い合わせる必要があります。

<平均購入金額>のKPI設定の仕方とポイント

訪問数やCVRの改善には時間やコストがかかることが多いですが、平均購入金額の向上は、既存のECの商品構成の中でも組み合わせや見せ方で変化を作り出せるKPIだと思います。

商材にもよりますが、ECは平均の商品購入点数が「1」に収斂する傾向があります。それはつまり、ほとんどのECでセット購入が起きづらいということになります。しかし、この平均値が1%でも2%でも伸びれば、売上もそのまま伸びるわけですから、一度は改善に取り組んでみるべきKPIだと言えるでしょう。

KPIとして追うべき主な指標

平均購入金額は全体の売上を注文件数で割った「質」が表れてくる指標ですから、その推移を確認しつつ

・平均購入金額

・セット購入率:複数商品を同時に購入する割合

平均購入金額の目標設定は「何をプラス1できるか?」で考えてみる

たとえば現状の平均購入金額が8,000円程度だとしましょう。これを倍の16,000円に持っていくのは、同等のものを2個購入してもらうことになり、さすがに難しいでしょう。一方で、10%のオプションをつけて8,800円に底上げするのは、「できなくもない」という気がしませんでしょうか?ファーストフードで900円のセットに300円のナゲットをすすめられるといった経験をされた方も多いのではないでしょうか。その延長で自社商材を捉えなおしてみましょう。

具体的な「プラス1」のアイデアとして、下記の通り商材別に考えてみました。

平均購入金額向上施策の具体例

商材

目標平均購入金額の差分

具体的な施策

期待される効果

化粧品・美容EC

8,000円 → 10,000円を目指す

+2,000円

既存顧客に対し、購入履歴に基づいた「定期便(サブスク)へのアップグレード」を訴求。または、「初回限定のスキンケアセット(2,500円相当)」をカート画面で提案。

継続的な売上の確保と、セット購入による単価アップ。顧客ロイヤリティの向上。

ファッション・アパレルEC

12,000円 → 15,000円を目指す

+3,000円

送料無料ラインの引き上げ」(例:15,000円以上)。または、購入アイテムと関連性の高い「コーディネート推奨アクセサリー(3,000円程度)」をレコメンド。

ユーザーに購入意思決定を促し、ついで買いによる売上底上げ。未達成ユーザーの離脱防止。

ガジェット・家電EC

25,000円 → 28,000円を目指す

+3,000円

商品購入時に「延長保証サービス(3,000円)」や「専門家による初期設定代行オプション」を明確に提示。消耗品(ケーブル、クリーニングキットなど)とのバンドル販売を強化。

ユーザーの安心感向上と、高単価商品における追加オプションの獲得。

食品・グルメEC

5,000円 → 7,000円を目指す

+2,000円

まとめ買いによる割引」を導入し、同一商品の複数購入を促進。または、季節限定の「高級デザート・サイドメニュー(2,000円)」を限定レコメンド。

購買頻度が低い商材において一度の購入量を増やす。限定感による衝動買いを誘発。

家具・ホームセンターEC

30,000円 → 35,000円を目指す

+5,000円

大型家具購入時、「組み立て・設置サービス(5,000円)」をオプションとして提案。関連商品の「メンテナンス用品」や「同シリーズの収納アイテム」を推奨。

サービスの付加価値による単価向上。関連商品の同時購入促進。

目標設定のポイント

商品カテゴリ別やキャンペーン別に平均購入金額を分析し、単価の高い商品への誘導や、セット販売の強化という風に、手を入れてやるほど伸びが期待できるでしょう。決して変えるのが難しい指標ではなく、必要なのはサイト内での「接客」の細やかさと言えるでしょう。根気よく定期的にメンテナンスしていきましょう。

各KPIの目標への具体的アクションの例

これまでのKPIと目標の設定をもとに、具体的にどのような施策を打つべきか、結果を受けて何をすべきかをまとめました。

KPI

アクションのカテゴリー

アクション例

結果を受けた次のアクション

訪問数

集客戦略の最適化

CVRが高いチャネル(例:検索エンジン)へのリソース(SEOコンテンツ制作や内部施策)を最優先で強化する。

施策実行後、設定期間(例:3ヶ月後)の検索順位と流入数の変化を確認し、CVRの維持・向上に貢献しているか検証する。

CVRが高いキーワードや広告への予算配分を強化する(有料広告)。

CVRとCPAをモニタリングし、費用対効果の低い広告やキーワードの予算を削減・再配分する。

CVR

導線・経路の改善

流入経路別CVRを分析し、成果が良い経路(例:検索エンジン)のノウハウを、他の経路に横展開できるか検証する。

横展開の結果、CVRに改善が見られたか否かを経路別に検証し、成果の出た横展開施策を定常化する。

決済フェーズの改善

不正利用対策と決済承認率のバランスを考慮したオーソリ承認率の改善を行う。

改善後の承認率とチャージバック発生率を継続的に監視し、最適な不正対策レベルを維持できているか評価する。

平均購入金額

アップセル・クロスセル

送料無料ラインを引き上げ、ユーザーに購入意思決定を促し、ついで買いによる売上底上げを図る(例:15,000円以上)。

設定したラインの前後で、平均購入金額と注文件数の変化を比較し、売上への貢献度を評価する。

まとめ買いによる割引を導入し、同一商品の複数購入を促進する(食品・グルメEC)。

まとめ買い対象商品の購入点数の増加と、利益率への影響を確認し、割引率の最適化を検討する。

まとめ

ECサイトの売上向上には、本記事で解説したKPI設定とデータに基づいたPDCAサイクルが欠かせません。しかし、決済の専門領域も含めた多角的な課題解決を自社だけで行うのは、決して容易ではありません。

GMO-PGのマーケティング支援サービスでは、貴社のECサイトのデータを分析し、集客・CVR改善をはじめとする売上向上支援を行います。また、当メディアで展開しております、アクセラレーションプログラムを通じて、成長フェーズに合わせた最適なソリューションとノウハウを提供し、EC事業者の成長を加速させます。

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執筆者

高畑 康仁

上級ウェブ解析士。2018年入社後、一貫して加盟店様の売上向上支援およびサイト改善領域に従事。前職の大手求人情報サイトでのサービス開発・改善経験を活かし、アクセス解析や改善提案に加え、ABテストの実装やWeb接客の導入など、フロントエンド領域における具体的な施策実行を支援している。現在はオウンドメディア「PX+」の編集も担当。本メディアでは、EC事業者様の課題解決に役立つ、サイト分析から改善までの実践的な情報を担当している。

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