決済基礎知識
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BtoB決済の新しい選択肢「BPSP」とは?なぜ今、経営者が注目しているのか
この記事のポイント
- BPSPとは、本来クレジットカードでの支払いに対応していない取引先へもクレジットカードで支払えるようにする仕組み。
- 最大約60日の支払い先延ばしにより、融資なしで資金繰りを改善。
- クレジットカードでの支払いにより、経理業務の効率化と透明性を実現。
INDEX
日本の企業間取引において、銀行振込や掛売りによる商習慣は長らく一般的とされてきました。しかし、原材料費の高騰や売掛金の回収サイクルの長期化など、経営環境の変化が続く今、従来の決済手段だけではキャッシュフローの柔軟性を保ちにくい場面もあります。
そこで今、財務戦略の新たな一手として注目を集めているのが「BPSP(Business Payment Solution Provider)」です。本記事では、BtoB決済の常識を塗り替えるBPSPの仕組みから、他の財務手段との使い分け、そして貴社のビジネスにどのような変革をもたらすのかを詳しく解説します。
BtoB決済の新しい選択肢「BPSP」とは?なぜ今、経営者が注目しているのか
BPSPとは、本来カード決済に対応していない取引先(受取企業)に対しても、支払企業がクレジットカードで支払いを行えるようにする仕組みです。
通常、BtoBの取引では、双方がカード決済を導入していなければカードでの決済は成立しません。しかしBPSPを利用すると、支払企業がカードで支払った代金(請求金額)を、BPSP事業者が受取企業へ銀行振込で送金します。
なぜ今、BPSPが求められているのか
背景にあるのは、企業の資金繰り管理の高度化です。これまでは「入金は早く、支払いは遅く」という原則を実現するために、取引先との交渉(支払いサイトの延長交渉など)が必要でした。一方でBPSPを活用すると、取引先との支払条件を大きく変えずに、カードの締め日・支払日を活用して支払期日を実質的に延ばすことが可能になります。いわば「決済のデジタル化と資金繰り改善の共存」を実現する手段として広がりつつあります。
資金繰りの課題を解決する、BPSP導入の3大メリット
BPSPの導入は、単なる支払い手段の変更に留まりません。企業の財務基盤を多角的に強化し得る主なメリットは次の3つです。
① 支払期日の実質的な延長(キャッシュフローの確保)
カード決済を利用することで、実際の口座引き落とし日まで支払いを後ろ倒しにすることが可能です。カード会社の締め日にもよりますが、実質的に30日から最大60日程度(※)の支払猶予が生まれます。銀行融資のように新たに資金を借り入れる形ではなく、既存のカード利用枠を活用して手元資金の余裕を確保できる点は、急な仕入れや成長投資、想定外の支出への備えとして有効です。
※支払い日の後ろ倒し幅は、ご利用のカードや契約条件により異なります。
② 経理業務の効率化と透明性の確保
毎月の振込作業や、それに伴う手数料の管理は経理部門にとって大きな負担です。BPSPによるカード決済に集約すれば、振込作業を削減できるだけでなく、カード明細による一元管理がしやすくなります。いつ、どこに、いくら支払ったのかをタイムリーに把握できるようになり、経営判断の迅速化やガバナンス強化にもつながります。
③ 取引先への影響は最小限。関係性を変えずにデジタル化
受取企業は、BPSP事業者から銀行振込で入金を受け取るため、受け取り企業側で新たにカード決済を導入する必要や手数料負担はありません。取引条件や運用を大きく変えずに、自社側のオペレーションだけで支払いフローを効率化できる点は、導入のハードルを下げる要因になります。
【図解】BPSPの仕組み:なぜ「非対応の相手」にカードで払えるのか
BPSPの仕組みを正しく理解するために、三者の関係性を整理しましょう。
- 支払企業(買い手): BPSPのシステムを通じて、クレジットカードで支払い指示を出します。
- BPSP事業者(例:GMOペイメントゲートウェイ株式会社): 支払企業の決済完了を確認したうえで、指定された期日に受取企業の銀行口座へ銀行振込で送金します。
- 受取企業(売り手): 支払企業からの支払いとして、従来通り銀行振込で入金を受け取ります。
このようにBPSP事業者がハブとなることで、取引先の決済環境に左右されにくい決済プロセスが実現します。
財務戦略のポートフォリオ:融資・ファクタリングとの使い分け
資金繰り改善には複数の手段があります。BPSPを検討する際には、他の手段を否定するのではなく、それぞれの特徴を理解して状況に応じて使い分けることが重要です。
|
手段 |
主な目的 |
メリット |
考慮すべき点 |
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BPSP |
支払いの後ろ倒し |
借入にならず、カードの利用限度額の範囲内で円滑に対応可能。 |
サービス利用手数料が発生する場合がある。 |
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銀行融資 |
長期的な資金確保 |
金利が比較的低く、多額の調達が可能。 |
審査に時間を要し、負債が増える。 |
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ファクタリング |
売掛金の早期資金化 |
未回収リスクを回避し、早期に資金化できる場合がある。 |
売掛債権があることが前提となる。 |
どのような場面でBPSPが最適か?
例えば、以下のようなケースではBPSPが有力な選択肢となります。
- 「あと1ヶ月だけ支払いを遅らせて、キャッシュに余裕を持たせたい」
- 「急な大型案件の受注により、材料の仕入れ費用が一時的に不足している」
- 「融資の手続きをするほどではないが、機動的に資金を回したい」
一方で、数年単位の設備投資には銀行融資、売掛金の回収リスク提言も重視したい場合にはファクタリングが適するケースもあります。これらの手段を組み合わせることで、より強固な財務体質の構築につながります。
BPSP導入における注意点と成功のポイント
導入を成功させるためには、以下の2点に留意しましょう。
手数料とメリットの比較
BPSPの利用には一定の手数料がかかる場合があります。手数料を「コスト」として捉えるのではなく、「支払いを後ろ倒すことで得られる投資機会」や「経理工数の削減による間接コスト低減」と比較して検討することが重要です。
利用可能枠の確認
BPSPはクレジットカードの利用枠を利用します。高額な仕入れに利用する場合は、事前に利用可能枠を確認し、必要に応じて枠の増枠を検討しておくとスムーズです。
まとめ:BPSPは経営の選択肢を広げる財務戦略。
BPSPは、単なる支払いの後ろ倒し手段ではなく、企業の成長を支える「財務戦略」の1つとして活用を検討したいソリューションです。キャッシュフローに余裕を持たせることは、不測の事態への対応力を高めるだけでなく、投資機会を逃しにくい経営体制づくりにもつながります。
一方で、BPSPを導入する上で特に重視すべきは、プラットフォームの安定性と信頼性です。
BtoB取引において、決済の遅延やシステム停止が起きると、自社だけの問題では済まない可能性があります。振込が予定通りに行われなければ取引先からの信用を損ない、最悪の場合、取引停止につながる恐れもあります。BPSP事業者は「貴社の支払業務の信用」を支えるパートナーといえます。
GMOペイメントゲートウェイ株式会社では決済代行事業だけでなく、BPSPを含む多様なBtoB決済・金融ソリューションを提供しており、スタートアップから大手企業まで、企業の成長フェーズに合わせた財務戦略の検討を支援する体制を整えています。貴社の次なる成長を支える選択肢として、ぜひご活用ください。
サービス紹介
請求書カード払い byGMO
「請求書カード払い byGMO」は、GMOペイメントゲートウェイが提供する、銀行振込指定の請求書をクレジットカード払いへ切り替えられるBPSPサービスです。
【請求書カード払い byGMO の特長】
- 支払いをカード決済へ
売り手側の指定に関わらず、買い手側の判断でカード払いが可能になります。 - 借入なしでキャッシュフロー改善
融資手続き不要で、支払い期日を最大約60日後まで先延ばしできます。 - 業界最低水準の手数料
コストを抑えた低率な手数料設定により、継続的な利用をサポートします。
※利用には所定の審査があります。また、延長日数は決済日やカードの引き落とし日により異なります。
執筆者
PX+ byGMO編集部
PX+ byGMO編集部は、GMOペイメントゲートウェイによる、決済・Payment Experience(PX, 決済体験)領域に特化した専門メディアチームです。
決済・EC運営・キャッシュレス全般に関する最新動向や実務ノウハウ、成長企業の事例をもとに、ビジネス成長に役立つ実践的かつ信頼性の高い情報を編集・監修しています。
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